Pro Tools マスタークラス・セミナー「杉山勇司さんが語る最新のミキシング・テクニック」を受講してきました!

2018年8月、Avid Space Tokyoで開催されたセミナー。

『Pro Tools マスタークラス・セミナー~トップエンジニア ”杉山勇司” が語る最新のミキシング・テクニック』

数々の伝説的ワークで知られ、海外でもその高い技術が厚く信頼されている、日本の誇るトップ・エンジニアの一人、杉山勇司さん。
その杉山さんの実践しているテクニックの一部を ご本人から披露して頂けるという非常に貴重なセミナーに、パワーレック・スタッフも同席させて頂きました!

以下、そのセミナーの様子を抜粋でレポートさせて頂きます!


クールな語り口で、濃厚、かつ真摯な講義を繰り広げる杉山さん。集まった聴講の皆さんも熱心に聴き入ります。

その黎明期から、筋金入りのPro Toolsユーザーである杉山さん。

その一方で、現在の杉山さんのプライベート・スタジオには、自作の品も含むハードウェアのアウトボード群が並んでいます。
AVID HD I/Oに立ち上がり、Pro Tools HDX上でハードウェア・インサートされる杉山さんのアウトボード・セレクション。

キーワードは、「マジック・チェイン」

自身の「色」を加える、オリジナルの調合。
30年に渡る経験値から生まれて来た、杉山さんの「シグネイチャー・サウンド」キット。
ドラム、ボーカル、ギター・・・それぞれに見合った杉山さんの「マジック・チェイン」を通過し、一際磨かれたサウンドは、Pro Tools上にプリントされ、新たなファイルとして扱われます。

そのサウンドの理念は、Pro Tools上でのプラグインにも見て取る事が出来ます。

Pro Toolsのこの時点での最新版、『Pro Tools 2018』からの新機能「トラック・プリセット」に保存されている、杉山さんの愛用する「プラグインのマジック・チェイン」。

そのチェインにも独特なセレクションが並びます。


「これ、みんなはあまり使ってないけど、とても気に入っているテープシュミレーター。」
要所で活用している『Nomad Factory / MAGNETIC II』

アコギのプリセットに入る『noveltech / CHARACTER』

「これもあまり使っている人を見たことがないね。もはや無いと困るプラグイン。」

こちらは、イコライザー。
「このサチュレーションを上げていった時の音が気に入っていて。」

多くのエンジニアのプラグイン・ラックであまり見ないEQ『Softube / TRIDENTシリーズ A-RANGE EQ』『Softube / Volume 2』バンドルに含まれます。>> https://www.ikebe-gakki.com/ec/pro/disp/1/568147)も、杉山さんは様々なトラックに用いています。
「なぜこの音が好きなのだろう、と調べたら、このプラグインのオリジナルモデルは、PULTEC等と同じくインダクターを使ったEQで・・・」

EQに関して。

ミキシングの場面においては、引き算の手法が多く取られるEQ処理。杉山さんは、「足す」派だと。考え方として、
「いらないところを削る、といっても、いらないところが無いのだけど。その楽器が必要とするところをしっかり聞かせて、気になるところを他の音とのマスキングで打ち消す」
と。
「削らないことで迫力を維持できる」
と。

杉山さんの“足す”手法、その2。

波形から、『SlateDigital / TRIGGER 2』(>> https://www.ikebe-gakki.com/ec/pro/disp/1/302604)により、トリガー抽出されたスネアのフレーズ。

そう、杉山さんは、スネアにサンプル音を「足し」ます。
「AKAIの時代」から、サンプラーを日常的に使っていた杉山さんならではの技。
「もちろん、完璧な音で録れていれば足したりする必要もなくなるのだけど。ミックスだけ参加する時とか、色々工夫してみたけど、ふと、足してもいいのじゃないか、と。」
ある成分を「足す」、それがEQなのか、トリガーなのかの違い、だと。
「音を差し替えたりするわけでは無いので、一度も指摘されたことはない。」

セミナーでは、杉山さんの技のノウハウ、音に関する様々な知見が披露されてゆきます。
その一例を・・・


【杉山さんが教えてくれたコトMEMO】(2018AUG版)

・ミックス素材を受け取ったらPro Tools上で「0.5dB単位」でフェーダーをそろえる事から始める。→以前の段階を再現しやすくなる。
・持ち込まれた際のラフミックスを一生懸命聴く。→作り手が「何をやりたいか」を汲む。
・ハードウェアは、適正な動作レベルで使用する。→その機器の「いい音」は適正なレベルが鍵。これはモデリングしたプラグインでも同様である。
・いいボーカリストは、どのマイクで歌ってもいい声。
・インダストリアル・サウンドのキモは「いかに歪ませるか」。


セミナー中は、「普通ではない」シグネイチャーな手法の数々を 実際に、素材毎にビフォア>アフターで、聴かせて頂きました。
長年のスキルの蓄積により編み出された「技」が加わり、トリートメントされる「音」の歴然たる質の差。
説得力、聴きやすさ、存在感、その全てが数段「上質」となる瞬間。

プログラムが進む程に、改めて杉山さんの凄みを認識するのでした。

加える事を恐れない、明確かつ緻密な音作り。
アーティスト的な感性で音を調音する、稀有なスタイル。

仕事師、杉山勇司さん。

今後もその技が更新され続けるであろう事は想像に難くありません。

(レポート by S.N.)

 

◆セミナー後の杉山さんと、パワーレック・スタッフ:北山

[スタッフ・北山の感想]
杉山さんの、普通では思いつかない、発想・テクニックを素早くに音に反映させていく様が、まるで魔法のようでした。
今回の杉山さんのセミナーを受け、私の考えが「音は形を持っている」から「音は色を持っている」という認識へと変化しました。
杉山さんは、セミナー中に何度も「倍音の構成を変える」という言葉を使っていましたが、これは不要な部分をカットし、決まった形へ収める単純な引き算だけではなく、互いに良いところを残し、聞きづらいところを他の音でカバー、マスクする、言葉通りの「ミックス」手法なのだな、と理解しました。
杉山さんのミックスでは、それらから生まれる心地の良いふくよかさ、的確なタイトさを体感することができました。
また、私は、普段は他のDAWソフトをメインに使っているのですが、改めて、Pro Toolsの使い勝手の良さ、その先端機能は、ユーザーの事を考えられているのだ、という事を実感出来ました。加えて、やはり、Pro Tools準拠のプラグインには、魅力的なモノが多いですね。本気でPro Toolsの使用を考えはじめています(笑)


【profile】
杉山勇司(すぎやまゆうじ):
1964年生まれ、大阪出身。1988年、SRエンジニアからキャリアをスタート。くじら、原マスミ、近田春夫&ビブラストーン、東京スカパラダイスオーケストラなどを担当。その後レコーディング・エンジニア、サウンド・プロデューサーとして多数のアーティストを手がける。主な担当アーティストは、ソフト・バレエ、ナーヴ・カッツェ、東京スカパラダイスオーケストラ、Schaft、Raymond Watts、Pizzicato Five、藤原ヒロシ、UA、Dub Master X、X JAPAN、L’Arc~en~Ciel、44 Magnum、LUNA SEA、Jungle Smile、広瀬香美、Core of Soul、cloudchair、Cube Juice、櫻井敦司、dropz、睡蓮、寺島拓篤、清竜人、花澤香菜、河村隆一など。 また、1995年にはLogik Freaks名義で、アルバム『Temptations of Logik Freaks』(ビクター)をリリース。著書に『レコーディング/ミキシングの全知識』(リットー・ミュージック刊)がある。2017年には同書の中国語翻訳版(湖南文艺出版社刊)が出版された。


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