Pro Tools マスタークラス・セミナー「山田ノブマサさんが語る最新のミキシング・テクニック」スタッフ・レポート

ラブサイケデリコ、福山 雅治、ゴスペラーズ、ケミストリー、OKAMOTO’S、近藤等則、元 ちとせ、SMAP、ダイヤモンド☆ユカイ・・・
実力派アーティストが居並ぶリスト。
その、堅実で確実な作品群。

そこに携わって来た、この方。

山田ノブマサさん。

プロデューサー/レコーディング・エンジニア/ドラマー。

某大手電子機器メーカーでの半導体の設計技術者、という異色の経歴を持つ、山田ノブマサさん。
その後、レコーディング・エンジニアを志望し、大手スタジオに。
現在は、日本の誇るトップ・エンジニアの一人として、多くのアーティストから信頼を寄せられています。

2018年10月某日、都内会場で開催された「Pro Tools マスタークラス・セミナー」で披露された、山田ノブマサさんの音の仕事、その一部。

セミナー前半、自身、ドラマーとしてプレイもするドラムのマルチ・マイキングに関する話題が繰り広げられます。

ホワイト・ボードを使用しながらの論理的、かつ感覚的に判りやすい解説。
大手商業スタジオに勤務していた際の経験談。トラック数が限られていた時代の「音の被りを計算に入れ、ミックス時の音をイメージしたマイキング」や、「ルーム・アコースティックによって左右されるマイクと楽器の距離」のエピソード。

そして「位相」の話。端的に表現すると、トラックが豊富に使える現在は、マルチトラックの「各ボリュームフェーダーの上下」に伴い、トラックの逆相成分の合成によって起こる音色の『意図としない変化』を防ぐ為の録音状態=各トラックの「位相の揃った状態」が理想的である、と。
会場の人々も熱心に聴き入ります。


続いて、この日のメインテーマ、山田ノブマサさんを象徴するミキシング・テクニック「ハイブリッドMIXING」
ハードウェア・アウトボードとPro Toolsソフトウェア、それぞれの長所を活かす連携テクニック、その実演。

会場には、自身の愛用するapi 550AUrei 1176の実機が持ち込まれ、実際にプラグインとハードウェアのサウンドを聴き比べます。

「ハードウェアで得られる、ぞくっとする瞬間。」

それを得たいが為に、アナログ・ハードウェア機器を使用する山田ノブマサさん。

しかしながら、昨今の実務においてリクエストされる、ミックスの「再現」。ハードウェアでのその行為の難しさが、かねてからの課題であると。

試行錯誤を重ね、たどり着いている、現在の手法。

「いいところ」にツマミを固定、あるいはマーキングされたハードウェア機器。Pro Tools上には、そのハードウェア用にバスを設けます。

そのハードウェア機器への入出力レベルの増減をPro Tools側で行い、SONGに記憶。

それは、不安定要素の大きなハードウェアでの操作を出来る限り避け、ソフトウェアで管理する、という手法。

この方法で、ハードウェアの恩恵を受けながらも、可能な限りの再現性を得る事を両立させています。


もちろん、デジタルならではの処理、例えばiZotope社の『RX』シリーズのノイズ除去ソフト等は「便利に使っています。」と、山田ノブマサさん。

アナログとデジタル、それぞれの特性を理解し、試みを重ね、蓄積されてきたレコーディング&ミックスのノウハウとテクニック。

ミックスに際して、山田ノブマサさんがイメージしている事。

レオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」を一例に挙げます。
見る者の目線がキリストに向かう様に描かれたこの絵画の様に、楽曲を聴く人の耳がどこに行くのか、何を聴かせるのか、
「フォーカスを当てたい音に耳が行くような」ミックス
それをイメージしていると。

そして、「よく質問される」ボーカル処理について。
ショート・ディレイでダブリング効果を加え、「ボーカルの面積」を広げるテクニック。

ここでは、ボーカルに聴き手の意識を「フォーカス」させながらも、単にセンターにボーカルがあるのではなく、ボーカルに面積を感じさせるサウンドを得ている、と。

本セミナーの冒頭、自身が主催するハイレゾリューション音源のリリースを行っている『amp’box Label』のライブ録音素材が披露されました。
そこでは、繊細な瑞々しい、かつ、演奏者の熱量が感じられるサウンドと共に、時間、演奏の経過により「アンビエンス音」を増減する、レコーディング作品ならではのプラスαの手法も施されていました。
その演出も、聴かせたいサウンドへの「フォーカス」の誘導を意図したものだったのです。

絵画の様に音をイメージし、「フォーカス」したサウンドを丁寧に魅せる。
それを実現する、探究心、実験精神に裏打ちされた、オリジナルの職人技。

山田ノブマサさんの描き出すサウンドに記される、信頼の“印”。それは、今日も、多くの人々の耳に届いています。


【profile】
山田ノブマサ:
プロデューサー/レコーディング・エンジニア/ドラマー
5歳からオルガン、エレクトーンの演奏を始め、その後ジャズ、ロックなどのバンドでドラムを演奏。大学卒業後は家電メーカーで半導体の設計技術者を経て1985年にビクター・スタジオに入社、1993年にフリーランスとなり自身のスタジオamp’box Recording studioを拠点に活動中。
ラブサイケデリコ、moumoon、ダイヤモンド☆ユカイ、堀江博久、朝倉あや、などの作品ではDrumsも演奏している。ROCKは勿論、JAZZやラテン音楽にも造詣が深く、特にビートルズサウンドに関しては国内の第一人者とされ、『アビイ・ロード・スタジオ —世界一のスタジオ、音楽革命の聖地』では監修も務める。また、電気理論や音響工学、ビンテージ機材にも精通する。近年はハイレゾ音源の配信レーベル(amp’box Label / e onkyo music より配信中)を持ち、音楽評論家、オーディオ評論家から、サウンドと作品のクオリティーが高く評価されている。
主な作品は、ラブサイケデリコ、福山 雅治、ゴスペラーズ、ケミストリー、OKAMOTO’S、moumoon、南 佳孝、元 ちとせ、SMAP、ダイヤモンド☆ユカイ、広瀬 香美、大橋 純子、チューリップ、坂本 真綾、秋川 雅史、一十三十一、近藤 等則(Tp)、ジョアン・ジルベルト、トニーニョ・オルタ、等の幅広い音楽のミキシング、レコーディング、マスタリングを担当。その他、AUDI、マツダ、サントリー、アサヒ飲料、味の素、MEIJI、三菱電機、ユニクロ、等のCM多数。

●a taste of Music:
http://www.amy.hi-ho.ne.jp/ampersand/ampbox/a_taste_of_Music.html
茅ヶ崎市の山田ノブマサさんのスタジオ「amp’ box Recording Studio」に併設されている「a taste of Music」は、JBL 4333A + Mchintosh MA6900、ACOUSTIC REVIVE配線等々、山田さんのセレクトされた機材で極上の音楽をお楽しみ頂ける、というミュージック・バーです。
山田さんがお忙しい時はお休み、という事ですが、お近くにお立ち寄りの際は、是非!


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