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レコーディングエンジニア古賀健一さんがリニューアルしたPOWER RECを訪問！後編

2022-10-25

渋谷にあるレコーディング機器の殿堂POWER RECがリニューアル。

伴って、マイクに留まらずモニター機器も積極的にリリースする老舗ブランド、NEUMANNの展示が拡充されました。

イマーシブ・オーディオを扱うエンジニアとして著名な古賀健一氏が遊びに来てくれましたので、その様子を紹介致します！

充実したNEUMANNマイクの展示をチェック。古賀さんのオススメは？

後編では拡充されたNEUMANNマイクの展示をチェックする様子をお伝えします。古賀さんオススメのマイクや、NEUMANNマイクにまつわる思い出などをお伺いしました。

古賀健一さん　プロフィール

1983年12月7日生　福岡県出身。東京スクールオブミュージック葛西校時代から、フリーのエンジニアとして活動。プロのレコーディングにも多数参加。青葉台スタジオを経てフリーランスとなり、2019年 Xylomania Stuio LLCを設立。2020年 Dolby Atmos＆360 Reality Audioの空間オーディオ対応スタジオに改修。RockからClassic、バンドのサウンドプロデュースまで手がける。ASIAN KUNG-FU GENERATION、ichikoro、KentaDedachi、Official髭男dism、映画音楽など多数。

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マイクコーナーでU 67と気になるマイクのサウンドをチェック

NEUMANNマイクを始め高額マイクがズラリと揃い、その全てがテストできるマイクコーナーをご案内しました。

パワーレック：

こちらのコーナーでは、すべてのマイクをすぐにお試しいただけます。マイクブースはお一人様30分までお使いいただけるようになっています。

古賀：

すごいですね。そうしたら、U 67を改めて聞いてみたいです。あとはこれからマイクを買うボーカリストさんとかが気になるマイク、、、TLM 103と、TLM 102。あとはSENNHEISERですけどMK 4も聞いてみたいです。結構いいんですよ、MK 4。

パワーレック：

準備しますのでお待ち下さい。

古賀：

ヘイ、ヘイ、ハ、ハ、ハ。うん、面白いですね。TLM 102とTLM 103も、NEUMANNの系譜はちゃんとあるんだなって思いました。特にミッドの感じが揃ってるなって。TLM 103も使ったことがあるんですけど、やっぱり安心感ありますね。これは、仕事で使えるマイクです。

TLM 102はプリプロレベルでは使えそうです。この値段に対してはすごくいいと思います。ウインドスクリーンもついてるし、お手軽さという意味ではいいマイクですよね。

あと、MK 4はNEUMANNの音ではないですが、いいですね。処理しやすそうな音です。音数の多い今の音楽に合ってるというか。歌もですけど、楽器もいいと思います。

初めての一本はどちらにするか悩みますね（笑）

パワーレック：

U 67はいかがですか？

古賀：

U 67は、異次元です（苦笑）。僕らからすると、「コレ！」っていうマイク。音に密度があって、中域の押し出し感もあるし、グッと前に出る。スタジオではビンテージを使うので新しいU 67を聞いたのは初めてに近いんですけど、普通に欲しい１本ですね。自分のスタジオに欲しいです。

パワーレック：

マイクブースはいかがでしたか。

古賀：

さりげなく同じマイクプリで揃えてくれているんですけど、１台のマイクプリで抜き差しして試していると忘れちゃうので、4本もまとめて同じ環境で試せるのはすごくいいですね。さすがです。ヘッドホンアンプもちゃんとしているし。

古賀：

もしここでマイクを試すなら、いいマイクの音を是非、聞いて欲しいですね。買える値段かどうかっていうのはあると思いますけど、ビビらずに店員さんにお願いしてみてください。NEUMANNだったらU 67とか、U 87 Aiとか。自分が買えるマイクと、どれくらい差があるかは知っていた方がいいです。「買えないんですけど試したいです」って店員さんにお願いしてみて下さい。古賀が言ってたって言えばたぶん大丈夫です（笑）。みんな良い人なので。

思い出のスモールダイヤフラム・マイク

パワーレック：

展示されているマイクで、想い出深いマイクはありますか。

古賀：

KM 184が好きなんです。僕はKM 84で育っているので、KM 184は後継機なんでちょっと違いますけど、この値段でこの音が手に入るっていうのはすごいですよ。ドラムのトップ、ハイハットやアコギだったり。あとは歌にも結構いいんです。U 87 AiやU 67と一緒に立てて、混ぜる、みたいなことをよくやってました。

スモールダイアフラムだとKM 56も大好きです。KM 56は真空管なんですが、個体差がすごくて、ステレオペアでほとんど使えないんです。でも、その個体差が愛おしいです（笑）。今はKM 184が1本しか無いので、マッチドペアで欲しいですね。

パワーレック：

スモールだと展示はKM 184ですが、無指向性のKM 183もありますよね。

古賀：

マイクとして正しいのは、無指向性ですからね。無指向性は一度体験してほしい音だと思います。そういう意味では指向性を切り替えられるTLM 107が結構お勧めです。無指向性もできますけど、カーディオイドとスーパーカーディオイドもできるんですよ。切り替えると周波数特性も変わるので、勉強のためにもいいマイクだと思いますよ。

そういえば、NEUMANNのマイクプリ、V 402は無いんですか？

パワーレック：

今売れてしまって無いんです。

古賀：

あのマイクプリはすごくミックスしやすいんですよ。ヘッドホンアンプもすごく良かったです。4チャンネル版が欲しいって前からお願いしているんですけど、なかなか出ませんね（苦笑）。