“全音響透過板”って!?“『巴川製紙 TTP/POPフィルター』をスタジオで試す会”レポート

東京・中野駅に程近いビルのB1F。
ビンテージNEVE 5315がメインコンソールに据えられたレコーディング・スタジオ、『Volta Studio』
volta_studio_neve_5315_booth

2017年1月某日。
そこに集まる、複数名のレコーディング・エンジニア、ボーカリスト達。
ttp_at_volta_w_engineers

集まった理由は、コチラ!
ttp_tomoegawa_ss
この白いシート!

創業大正3年(1914年)、株式会社巴川製紙所/TOMOEGAWA CO.,LTD. 製作、
『全音響透過板/TTP(Total Transmission Panel)』!

TOMOEGAWAページ:
http://www.tomoegawa.co.jp/product_tech/new_product/onkyo.html

透過板?
製紙会社?
レコーディング・スタジオ?

↓↓↓その理由は、こちら!
ttp_tomoegawa_3type_volta
『全音響透過板/TPP』を使ったPOPフィルター(以下『TPP/POPフィルター』<仮称)、その試聴会が催されました!

某専門誌でも少し前から度々記事として取り上げられてきたこの素材、巴川製紙の『全音響透過板/TTP』。

『TTP(Total Transmission Panel)』 をざっくり説明すると、
“紙作りの手法で様々な素材をシート化”
結果、実に断面積の85%が「隙間」となるシートを実現していると!(つまり、素材自体の密度は15%!)
そして、この「隙間」が音響に変化を与えず、しかも“風を防ぐ”、と!

まさに、POPフィルターの為に生まれてきたかの様なスペックです!(笑)

今回、試験的に製品化された『TTP/POPフィルター(仮称)』を
“レコーディング現場で聴いてみよう!”
というシンプルなこの企画。

そして!
試聴環境が豪華!(笑)

マイクに、47
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ヘッドに、73
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プレイバックにビンテージNEVEコンソール
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全て、Volta Studioさんの常設機器!
ため息モノです!(笑)

更に、こちらも豪華!
実際の歌唱も、スタイルの異なる2名のボーカリストにトライ頂きました!
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伸びやかに澄みわたる、表情豊かなボイスを聴かせて頂いた、奥村愛子さん!
★奥村愛子さんオフィシャルHP http://okumuraaiko.com/
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抑揚に富んだパワフルなソウルノートを響かせた、NANAさん!

そして、試聴に集まった“ご活躍”のエンジニアの皆さん!
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小嶋“ojjy”淳一朗さんはセッティングから録音まで手馴れた仕事運びで!
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ご存知、塩田哲嗣さんは、自らでボイスチェックも!

今回チェックできたTTPは3種類。
3_ttp_tomoegawa_at_volta_studio
・フッ素(テフロン)繊維によるTTP
・ステンレス繊維によるTTP(薄型)
・ステンレス繊維によるTTP(厚型)

TTPシートによる効果は、とにかく「POPノイズ」が取れる、と、これまでにもレポートされて来ました。
しかも音響特性上は変化無く!

では、実際に聴こえて来る“音”は?
果たして、変化は無いのか?
実際の現場で実用に耐えるのか?

結論。

「オレ、買うから。」

おぉ!ご成約!(笑)

素材により、そして厚みにより、音響特性、特に音声のアタック部に違いが生じていますが、総じて「効果が高い」と!

実際のチェックは、多くのスタジオに常設されているであろう『Stedman』製金属POPフィルターと3種のTTP/POPフィルターを比較。

・フッ素繊維によるTTP
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音声が入るなり、ミックスルームのエンジニアの皆さんから「うん。」うなづきの声。Stedmanと比べると、素材の特性によるものか、高域が抑えられた柔らかい耳当たりに。「こちらは、水分や汚れにも強いので、お手入れの面でも有効かと思います。」それ、いいですね!

・ステンレス繊維によるTTP(薄型)
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3者の中では、一番Stedmanと聴感上の音響特性が近く、ボーカリストの方からは、「これが一番歌いやすい」との声。ただし、Stedmanよりも明らかに擦音の軽減が見られ、録音素材として、より扱いやすい、聴き易い状態で収音されました。「この素材は簡単に(物理的に)裂けますので、取り扱いには要注意です。」なるほど!

・ステンレス繊維によるTTP(厚型)
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文句無く、風切り音が激減します!ただし、ブレスが聴こえなくなる程の効果に、ボーカリストの方もいささかの歌い難さを感じた様子。素材としては、こちらが一番しっかりとしています。「こちらが一番高価な素材です。」←ですよね。

TTPの試聴を終えた、エンジニアの皆さんの声。

「ボーカルにとっては、ブレスも音楽の内(表現の内)なんだね。」
「でも、破裂音がここまで抑えられると、相当コンプの量も減るね。」
「効果の高いモデルは、管楽器とかにいいかもね。」
「あ、それいいかも。」
「あれ、キックに使ってみたいね。」
「よさそう、よさそう。」
「リボンマイクに絶対いいよ、コレ。」
「結局、3種類欲しいよね。」

話がつきません(笑)

こちらの、

巴川製紙/全音響透過板『TTP/POPフィルター』

実際の商品の販売は今しばらくお待ち頂くとして(笑)、今回と同様の“テスト機”が、2017年2月の中旬頃まで、今回、会場をご提供頂きました、東京・中野の『Volta Studio』さんにスタンバイされている、との情報です!
興味をお持ちの方は、『Volta Studio』さんに直接お問い合わせ下さい!

■Volta Studio
東京都中野区中央4-60-3 銀座ルノワールビルB1
http://www.voltastudio-rec.com/contact.html
メール info@voltastudio-rec.com

※『Volta Studio』さんの業務等のタイミングにより、直ぐにご対応頂けない場合がございますので、ご留意の上お問い合わせ下さい。

 

巴川製紙『TTP/POPフィルター』(仮称)、続報は、また!

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【実験映像】TOMOEGAWA/巴川製紙TTPフィルターに→“水”!?

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