AVBに、RMEが乗る。~マルチ伝送の次なるスタンダードを占う、M32 Pro Series、発表。

序章~
2018年1月某日。

雪の降る、新宿 Space Zeroで開催されたJATET 2018 技術展。
そのその公開セミナーの中で、一際異彩を放っていたタイムテーブル上の
「Avnu Alliance Japan」による『AVBについて』
と題されたプログラム。

Riedel、PreSonus、MeyerSound・・・
一見、関連性の無いブランドの代理店担当者が一堂にパネリストとしてひとつの机に並びます。

そして、実際にその場にセッティングされていた、Riedel、PreSonus、MeyerSound、MOTU社の製品達を繋いでいたもの。

『AVB』

AVB = IEEE 802.1 Audio Video Bridging。
IEEE米国電気電子学会が提唱する、音声のみならず、映像もカバーする、次世代マルチ伝送規格。
音声のみにフォーカスしても、例えば、Ethernetで繋がる最大512ch分もの機器群を一望してしまう守備力。
100mまで延ばされた長距離、多チャンネル環境においても、レイテンシー:2msが「保障」されたクレバーな音声伝送能力。

まだ、あまり市場で見かける事のない、『AVB』という名称。しかしながら、『AVB』は、その先見性から、先のブランドの他、AVIDやL-ACOUSTICS、d&b audiotechinikといったリーディング・カンパニー、更にはBMW、GM、Wolkswagen社といった様々な多業種のブランドへとリーチしています。
そして、AppleのMac OSにも。


2018年6月。
そのAVB界に新たな動きと事件が起こります。

6月5日、米InfoCommでAvnu AllianceよりAVBベースの新たなプロトコル規格『Milan』がアナウンスされました。

実は、ここ日本での先のJATETパネリングの為に行われたリハーサルを兼ねた各社機器の接続検証中、「ある条件下で、どうしても“繋がりきらない”」AVBの現状を確認出来ていたのです。それは、各社の想定するAVBのレギュレーションの認識の違いから起こっていた事象。

その回答となるべく、発表された『Milan』。この共通認識としてのレギュレーションに、AVB界は明るい道筋を見出しました。

そして『Milan』発表の数日後。
東京、某所。

とあるブランドの新製品発表会場で、突如発表された、新たなるAVB機器。

AVBとMADIを結ぶ、マルチチャンネルのAD、DAコンバーター『M32 Pro』シリーズ。
ブランドは、なんと、RME。

その時代、その時代のもっとも先鋭的な、かつ、もっとも信頼される機器群を作り続けてきたデジタル・コンバーター、伝送機器の雄、RME社。
そのRMEが、次世代マルチ伝送のフォーマットとして新たに目を向けた、『AVB』。

RME社のAVB製品、第一弾となる『M32 Pro』シリーズ。
かの『M32』の名を駆る、完全業務用AD、DAコンバーター、『M32 AD Pro』、『M32 DA Pro』。
各、1Uのボディに整然と機能が並べられた、生粋の“現場”スペック。

フロントパネル一面に配された入出力の状況を把握する為の自照表示。ch毎のテキスト情報は、「プリンタブル」。
この自照表示は、もちろん、“暗転”できます。

背面には、2重化電源の為に2口の電源インレットがスタンバイされています。

同社がこれまで採用してきたMADIも実装され、互換が保たれています。

起動も非常に速い。

いきなりのフルスロットルで具現化された、RME初のAVBネットワーク製品。
本気度が伝わってきます。

本作『M32 Pro』シリーズの開発には、同社のオーディオI/F製品ラインナップの中における昨今の“大ヒット作”を手掛けた若き天才、Max Holtmannさんが陣頭指揮を執っています。

— なぜAVBを採用したのですか?

Max Holtmann : ユーザーにとって、とても使いやすい規格だからです。

MADIよりも、Dnateよりも、ユーザーフレンドリーである点。
何より、未来のネットワークとしての先見性がある点。

例えば、大型ライブ・コンソール・システムに、持ち込んだMacを一台接続
→ 回線を一気にマルチ・トラック・レコーディング!という事も実現してしまいます!

そんな『AVB』周辺を固める追い風。
例えば、一時期、姿を消していたApple iMac Proの背面にも、Ethernetが再度搭載されています。しかも以前よりも高スペック!

プロ・オーディオ機器界でも、2018年に入った後、PreSonus社をはじめとするオーディオ機器ブランドからAVB関連の新製品のリリースが相次いでいます。

RMEからも、先のMusikmesse2018にて、Windows環境とAVBを連携する為のインターフェイス『Digiface AVB』(右)が、『Digiface Dante』(左)と共に発表されました。(今秋発売予定)

そして今回アナウンスされた、RME社の“AVB”への本格参入。
その旗印となる『M32 Pro』シリーズは、今秋発売予定!

確実に“AVB”の波が、オーディオ&ヴィジュアル界に!

今後も注視です!

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