「SONICWARE」図鑑 SmplTrek

日本のブランド「SONICWARE」社の製品は独自の視点からハードウェアで音楽にフォーカスする極めて人間的な体験と価値を生み出しています。「便利過ぎない制約こそがクリエイティブな魂を呼び覚ます」(意訳)という同社の思想が反映された製品ラインナップを全機種展示を行う渋谷・鍵盤堂よりご紹介していきます!

今回ご紹介するのはこちら

ポータブル・プロダクション・サンプラー「SmplTrek」

ELZ_1 play V2の次になんでこれ?という方もおられるかと思いますが、SONICWAREのラインナップの中でも同系統のボディではローファイに特化した「Lofi-12XT」が比較的知られており「SmplTrek」は影に隠れがちと感じた為、ならばこそ改めてその魅力を噛み砕いてご紹介したいと思い至りました。

いきなり結論的でメーカーさんではあまり口にしづらい言い方をすると「QYみたいな感覚で使える曲作り軽量サンプラー」という印象です。

例えが知る人ぞ知るになってしまっているかもしれませんが、一定の年齢層以上の方にはそれだけで大体のイメージが伝わるのではないかと思います。

参考:QYとは?→ヤマハが90年代~2000年代かけて発売したポータブルに持ち運びが出来るシーケンサーシリーズ。VHSビデオテープサイズ(!?)のコンパクトで軽量な設計でキーボーディストだけでなくギタリストからも高い支持を集めた。

このQY70の重量が520gに対し、SmplTrekは550gとかなり近い軽量感に仕上がっている事からもポータブルが強くイメージされている事が伺えます。

■Lofi-12 XTとの主な違い

同ボディサイズの「Lofi-12XT」と比較するとエディット機能等も含め、一見して全体的に「Lofi-12XT」の方が「SmplTrek」よりも性能が高いように一見見えます。

しかし、決定的な違いが最初の一行目にあります。

サンプル(音声)に対し「Lofi-12XT」はあくまでローファイに特化されており、サンプリングレートが12kHz/24kHz-16bit(mono)+12bit modeとローファイ以外扱わないという確固たる姿勢を示しています。

「SmplTrek」は48kHz-16bit(stereo)+lo-fi modeに対応しており、いわゆる「ストレートな普通の音」を扱えるのが大きな特徴となっています。トラック数も「Lofi-12 XT」の8トラックに対し「SmplTrek」は13トラック(※)とより1台で多彩なトラック製作、曲作りがイメージされています。

※13トラック=シーケンサートラック10+グローバルオーディオトラック(1曲通しての録音も可能なトラック)3

比較表ではあたかも「Lofi-12 XT」が近い存在のように見えますが、触っていく程に全く別物という印象が深まっていきます。ポータブルの発想はQYのようでしたが、サンプラーを基礎として曲全体を作り上げていくMPCのような概念に近いかもしれません。

■「SmplTrek」の構成

「SmplTrek」はまず「プロジェクト」=1曲の大きい単位があり、この次に「シーン」という単位があります。

「シーン」とは10トラックのフレーズが最大16シーン作れる物で、シーン1つにつき1~128小節のフレーズ(パターン)が作成出来ます。シーンは何回繰り返すか回数の設定も出来る為、例えばシーン1はAメロで2回繰り返し、シーン2はBメロで1回だけ、シーン3はサビで3回繰り返す等、曲の展開に合わせてパターン回数も設定出来ます。オートメーションも書ける為、シーン1のパターンを2にコピーしたとしても例えばシーン2はピッチを変える、エフェクトの掛け具合を変える等、様々な変化を与える事も出来ます。

シーンの中で使用されるトラックのバリエーションが豊富なのも「SmplTrek」の特徴です。

●トラックタイプ
・LOOPトラック


ドラムループやギターループなどのフレーズをサンプリングし、1シーン内でループ再生をするのに特化しています。

・SHOTトラック

効果音や、ドラムのクラッシュなど、1つのサンプルをワンショットで音を鳴らしたい時に使います。またワンショットサンプルを使用してシーケンスパターンを組むこともできます。

・INSTトラック

ピアノやギターなどの生楽器の単音をサンプリングし、鍵盤上に並べてスケールでフレーズを弾くような時に使います。

リアルタイムレコーディングだけでなくピアノロール上での打ち込みにも対応しています。INSTトラックにも使えるサンプルネタも最初から付属のSDカードに収録されている為、エレピやストリングス、シンセリード、ギターやベース等の音色も打ち込む事も可能です。

紫のボタンの箇所はベロシティ対応の鍵盤としても使える為、外部MIDIキーボードを接続しなくても簡易的なフレーズであればそのまま弾いて記録する事も出来そうです。

・DRUMトラック

バスドラムやスネア、ハイハットなどドラムサウンドを使い、ドラムパターンを作る際に使います。

ドラムトラックも同様にステップレコーディングが可能です。ドラムキットも画面内から選択できます。

ドラムトラックの場合は演奏部のボタンが黄緑色に変化。

・MIDIトラック

外部の MIDI 機器を使ってフレーズを作る際に使うピアノロールタイプのシーケンサーです。

こちらもピアノロールは同様ですが、オートメーションが書けるようになっています。

MIDIトラックもINSTと同様に紫ボタンに。一つのMIDIトラックで4つのコントロールチェンジ情報とプログラムチェンジ等を扱えます。

INST、DRUM、MIDIトラックはいずれもSMF(スタンダードMIDIファイル)が読み込める為、PC上からフレーズのデータを読み込むという手法も取れます。

・GLOBALトラック

複数のシーンをまたいで使うことができる、独立したオーディオトラックです。ボーカルや、1曲を通した演奏などを録音する際に使います。

つまり、家の制作環境の中だけでなく、外出してサンプリングの素材を録るだけでなく打ち込み的な曲作り、レコーディングまで取り組む事も出来る訳ですね。

「今思いついたアイデアを膨らませたい」

「外に出たらなんか面白い音鳴ってるから録音して曲作ってみたい」

「出先で時間が空いてるからデモ作りたい」

等、急に舞い降りるクリエイティブな時間にも応える相棒として「SmplTrek」は活躍する事でしょう。

PCやスマートフォンでは様々な情報に囚われてしまうという方にもおすすめの没頭アイテム「SmplTrek」 

是非持ち歩いてみてくださいね!

■SONICWARE SmplTrek 商品ページ

持ち運ぶ際にしっかり保護したい方には専用セミハードケースもございます。

■CyDrums/Lofi-12 XT/SmplTrek Case 専用セミハード・ケース

渋谷・鍵盤堂ではSONICWARE現行機種を全機種展示中!ご試奏いただける他、店頭限定の特典もプレゼント中です。

■SONICWARE商品ページ