【新製品レビュー】Roland JU-06A実機チェック!

ローランド往年の名機を超コンパクトサイズで再現したBoutiqueシリーズも、今では主なラインナップを一通りカバーした印象です。しかし、一部のモデルは限定生産品だったため、現在では入手が困難でプレミア価格で取引されている製品も存在します。

Botiqueシリーズ最初のプロダクトであるJU-06もそんな入手困難で再販要望の高いモデル。しかしただ再生産するだけでは面白くない?と、ガツンと進化しての登場です。


手前が初代Boutique、JU-06。奥が今回新登場のJU-06A。鍵盤ユニットK-25Mは別売です。

デザイン面での再現度向上が著しいですね。Boutiqueシリーズ最初のモデルだけに、デザイン面での「遊び」要素に躊躇が見られたのがちょっと残念だったJU-06に対し、JU-06Aは近年のBoutiqueシリーズ同様に、完コピに近い出来栄えです。

JUNO-6やJUNO-60のイメージを踏襲した四角いボタン。そのボタンやパネル上の文字の色あい。真っ白じゃなくて、微妙に黄ばんだ色をしてるんです(笑)。濃いグレーのパネルもJUNO-60とJUNO-106の中間的な色あいで、スライダー溝の端がオリジナル同様に丸くなっている辺りも拘りポイントですね。

しかも、よく見たらパネル上に「60/106」の切替スイッチが用意されているじゃないですか(!)。

その名の通り、このスイッチにより、JU-06Aの動作モードをJUNO-60とJUNO-106との間で切り替えることが出来るのです。この切替スイッチは、「各パラメーターのニュアンスを何となくそれっぽい特性に変更する」的なものではなく、完全に独立した別モデルに切り替えるものだとか。保存されているパッチもそれぞれのモードで異なり互換性はありません。発音中に切り替えると、容赦なくバツッと音が途切れます(笑)。このガジェットっぽさもBoutiqueシリーズの魅力と断言してしまいましょう。

オリジナルとなる両モデルはほぼ同一のパラメーターを持ってはいますが、ディスクリート回路の6/60(6はメモリー無し版)と、カスタムIC化を推し進めた後継モデルJUNO-106とではサウンドのキャラクターが異なります。何となく柔らかめのJUNO-60、やや硬質なJUNO-106、回路レベルでのモデリング技術である「ACB」だからこそ再現できたその違いを比べてみるのも楽しいです。

唯一残念なのが同時発音数が「4音」であること。両手で演奏する際はボイシングを意識しないといけません。2台カスケードして8音にすることも可能ではありますが・・・。

JUNO-106には無かったアルペジエイターが用意されているのもJUNO-60が組み込まれたからですね。代わりに2本のタッチ・スライダーが無くなりましたが、このアルペジエイターが搭載されていれば文句ありません。しかも、MIDI/USB MIDIだけでなくパネル前面に外部クロック入力も用意されていますから、ユーロラック系モジュラーシステム等のアナログ機器との同期も可能です。

もちろん、JUNOの内蔵コーラスの完全再現も嬉しいポイント。某社からコンパクトエフェクターとして発売される程の個性と人気のあるアナログコーラスは、ONにした瞬間オーディオ出力にはエフェクト回路からの音漏れノイズが乗り、SN比が悪化します(笑)。このシャワシャワした待機ノイズが無いと、何となく物足りないんですよね(もちろんノイズを消すことも可能です)。

最後に嬉しいのが、このJU-06Aは通常のカタログモデルとしてラインナップに加わること。

Roland JUNO-60/JUNO-106を忠実に再現した最新Boutiqueシリーズ「JU-06A」は、2019年10月5日発売予定、繰り返しますが、通常モデルとしての発売となりますので、先を争っての争奪戦の必要は(初回分狙いでなければ)ありません!只今、ご予約受付中です!

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