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待望の予約受付開始！Nord Piano 5 国内最速レビュー

2022-01-29

お待たせしました・・・。

お待たせしすぎたかもしれません・・・！！！

本国では昨年3月に発表されていた、Nordシリーズの中でも「ピアノ」に特化したナイスなステージモデル「Nord Piano」の第5世代機「Nord Piano 5」が、いよいよ日本国内にやってきます！

本題の前に、ちょっとだけNordブランドの歴史と魅力をおさらい。

Nordブランドを擁するCLAVIA社は、スウェーデンのストックホルムで1983年に創立された電子楽器メーカー。当初は電子ドラムメーカーとして実績を築き、1995年には初のシンセサイザー「NordLead」で世界中のキーボーディストに衝撃を与えました。「Nord」のブランドは、創業者のハンス・ノーデリウス氏の名前に由来します。

以来27年間にわたり、Nordブランドの鍵盤楽器は一貫したフィロソフィーに沿って発展を続けてきました。根底に流れているのが、自身もキーボーディストであるノーデリウス氏（と同社のアニキ達）にとってステージで使いやすい楽器である、という事。PCM音源全盛期、ツマミで音を有機的に変化させるアナログシンセを軽量で洗練されたインターフェイスで実現したバーチャル・アナログ「NordLead」。ピアノはハコに常備されているから、気軽に持ち運べるエレピ＆オルガンが欲しくて生まれた「Nord Electro」。Electroの下に、でもやっぱりピアノとシンセがあると良いよねと生まれたのが「Nord Stage」。そして、もっとピアノに集中したい、というニーズに応えた「Nord Grand」と「Nord Piano」。

新シリーズが生まれる度、「そうそう、こんな鍵盤が欲しかったんだよ！」と喝采を送ったのは私達だけではないでしょう。

更に、「見たまんま」の操作性の高さもNordブランドのこだわり。綺麗にセクション別に分けられたパネル上のボタンやノブの機能は一目瞭然。ツマミやボタンも演奏できる、洗練されたインターフェイスは各モデル間でも統一されており、新しいモデルでも直ぐに使いこなすことができるのも重要なポイント。

技術の進歩に伴う世代交代が盛んなのも、電子楽器の宿命です。しかしNordは「長く使える」ことにも重点を置いています。常に最新のサウンドが無償で手に入る「ピアノ・ライブラリー」「サンプル・ライブラリー」は、最新モデルだけではなく、初期のモデルに対応したファイルも都度リリースされています。金属やウッドを多用した楽器本体の耐久性も高く、「壊れない」「陳腐化しない」ことは、高額な楽器を選ぶ上で大きな魅力となっています。

あと、「赤い」ことも忘れてはいけませんね（笑）。ステージ上で一目で判る存在感は、何時の時代もキーボーディストのステータスシンボルです。

Nord Piano 5

と、ようやく本題のNord Piano 5です。

既にステージピアノの決定版として、「豊富なピアノライブラリ音色」「ピアノ・フィルター」「直感的な操作性」「シームレスな音色切替」「柔軟なレイヤー＆スプリット」等、魅力満載の先代モデル「Nord Piano 4」ですが、まだまだ進化の余地がありました。今回は、新しく追加された機能に絞って解説していきましょう。

1.鍵盤タッチが更に良くなった！

88鍵モデルだけでなく、今回は73鍵モデルにも同一のトリプルセンサー・ハンマーアクション鍵盤を採用しました。スペック上はNord Piano 4の88鍵モデルと同じですが、更に洗練されている印象です。

Nord Stage 3のウエイテッド・ハンマーアクション鍵盤とは明らかにタッチが異なります。Nord Stage 3はピアノだけでなく、シンセやオルガンの演奏も想定して若干ライトな味付けが施されていますが、Nord Piano 5の鍵盤はピアノ演奏に全振りした（？）弾き応えある感触。ストローク時、鍵盤がストンと落ちる感じではなく、やや「ぬるっ」と落ちていく抵抗感に最初はやや戸惑いましたが、ベロシティカーブや様々なプリセットを試していくにつれて、どんどん馴染んでいくのは面白い体験でした。

エスケープメント機構や音域別のウエイト等の細かなギミック無しで、ここまでピアノらしい弾き心地を実現しているのには驚きです。キーベッドの入念な調整と音源の設計はもちろん、演奏者の気持ち良いポイントで最終的にチューニングしているからなのでしょうか。

トリプルセンサーの恩恵は、弱音連打時のレスポンスで顕著に感じられます。Nord Piano5のppp付近の表現力は、ソロピアノでは大きな武器になるでしょう。

73鍵モデルも共通の鍵盤です。重量は15.5kg

2.レイヤーが倍！

Nord Piano 4では、音源部はピアノセクションとサンプル・シンセセクションの２セクションが用意されており、それらをレイヤーしたりスプリットしたりすることが可能でしたが、Nord Piano 5は各セクションで２系統の音源が同時使用可能になりました。

つまり、アコースティックピアノにエレピを重ね、更にパッドを重ねた上にストリングス！なんて超ゴージャスなレイヤーサウンドが簡単に設定できる訳でして、デイヴィッド・フォスターごっこが物凄く捗る訳ですよ（笑）。

同時押しでレイヤーON、片方押して点滅している方のパネルが有効、の明解なインターフェイスですから、演奏中の抜き差しも楽々です。

3.音色メモリーも倍！

ノード・ピアノ・ライブラリー、ノード・サンプル・ライブラリー共に、メモリーの容量が倍増されました。今回のモデルに合わせてリリースされた新サウンドは、勿論従来機種でもロードできますからNord Piano 5だけのフィーチャーではありませんが、スタンバイしておけるサウンドが単純に倍、もしくはリッチなXLサンプルをメモリーを気にせずガンガン突っ込めるのは、大きな安心感につながりますね。

Nord Grand 5の美味しい所を堪能するなら、新サンプル「White Grand」がまずはお薦め。
スタインウェイB型のサンプルです。

「Royal Grand 3D」は、ヤマハのS6。SHIFT + PIANO SELECTボタンでサンプルのINFOが表示されるのも楽しいです。

3種類のタッチカーブや、EQを節約できるピアノフィルター、ペダルノイズや弦の共振の再現等、先代モデルの美味しい部分はもちろんそのまま引き継がれています。

4.サンプル・シンセセクションも大幅強化！

もう「ピアノのオマケ」なんて呼ばせない。サンプル・シンセセクションは、２系統のレイヤー/スプリット対応とメモリー倍増以外にも進化しています。

ピアノセクションと同様に、ワンタッチ＆EQ節約に効果的な「ブライト/ソフト」フィルター。レイヤーサウンドが五月蠅く感じたら、「SOFT」で一発解決。優秀な子です。

サウンドが一気にリッチになる「ユニゾン」をPCM波形に適用できるのも、地味に凄い

あと、レガート時の挙動も再現したモノフォニックモードもサポート。細かくシンセ音を作るのでなければ、Stageじゃなくても十分使えるんですけど・・・！

あと、機械的なLFO適用ではなく、管楽器の息遣いやギターのチョーキングビブラート等の「自然な生の揺れ」を加える「Tru-Vibrato」も気持ちよいですね！

5.新たなエフェクトで表現力が深化

２つのモジュレーション系に歪み＆ダイナミクス系、EQにディレイ、そしてリバーブ。エフェクトボードに並ぶコンパクトエフェクターの様に独立したエフェクターセクションも、近年のNORDシリーズ共通の魅力です。

Nord Piano 5ではディレイとリバーブの空間系エフェクトが強化されています。

ディレイセクションには、ピンポンディレイが新たに追加されました。ステレオ空間の左右を飛び交うディレイ音は、トリッキーな使い方にも、空間を広げる隠し味にも効果的です。

リバーブセクションには、残響音の明るさを変える「ブライト/ダーク」モードと、モジュレーションで揺らす「コーラル」モードを新たに追加。特にダークモードのリバーブは、深く掛けても五月蠅くなりにくく、効果的に音場をコントロールすることができます。

リバーブ自体も、大聖堂の広大な響きを生み出す「カテドラル」と、程よいライブ感の初期反射音を生む「ブース」の２タイプが追加されています。

88鍵/73鍵共に、Nord Piano Monitorブラケットを取り付け可能。この位置、この角度から再生されるサウンドの臨場感は格別です。是非セットでの導入をオススメします！

6.プリセットもご堪能あれ！

ざっと紹介してきた新機能ですが、実際に聴いてみるのが一番。プリセットされたサウンドは、こうした機能をフル活用した音色が満載。まずは一通り試してみてください。次々とインスピレーションが沸いてきますよ。

鍵盤堂・ナカヤマのお薦めはこちら、E:15 Cavern Pianos

アコースティックピアノ+ホンキートンクピアノの２レイヤーに、ダークモードのカテドラル・リバーブをドブ漬け（デプス：最大値）した、洞窟（Cavern）ピアノ。新機能の魅力が凝縮された音色の一つだと感じました。パッド系のレイヤーは一切使用していないのに、この心地よい包まれ感は一体・・・！？

こちらの音色と共に、配信イベントの告知です！

#鍵盤堂TV

第4回目は・・・????
待望の新製品「Nord Piano5」を特集～‼‼
2月17日（木）18時半～
発売日前日に最速生配信でお届け????
詳細はこちら⬇️https://t.co/cZHhNyDWeY
キーボーディスト・西野恵末さんをお迎えし、
注目のNord Piano5を深堀していきます！

お　見　逃　し　な　く　‼ pic.twitter.com/wUyZhOkZ1y

— 池部楽器店鍵盤堂【販売スタッフ募集中】渋谷シンセサイザーアコーディオンオルガンステージピアノ (@kenbando7) January 29, 2022