[連載]SD-9007サイドストーリー #5 繋がり、誕生

サイデラ・マスタリング&レコーディング(以下SDM)で使用する為に産み出されたケーブル『SD-9007』。
掲げられたSDMの“理想”の実現・・・そこに立ち現れるヒト、モノ、セカイ。


2020年台を迎える目前、オノセイゲン氏が信頼を寄せる旧来の知人・糟谷銑司(かすや・せんじ)氏から紹介されたある人物、吉目木邦彦(よしめき・くにひこ)氏。
・・・プロ・ベーシストとしてデビュー、中東の楽器・ウドの国際コンクールでの受賞歴を持ち、世界的音楽祭のエグゼクティブ・プロデューサーを務め、更には技術者として世界のVIPからオリジナル音響機器の“オーダーメイド”に応える、圧倒的“多才の人”。

それは“幻の”ギター製作者、Art Tech / アートテック 杉浦誠一氏。
“完全プロフェッショナル対応”のカスタムギター工房『Art Tech』。オノ氏が愛用するギターも杉浦氏の手によるもの。

Art Tech Guitar 2004 “for Mr. Seigen Ono”
TEタイプ・ネック for Seigen Ono 2003

そして、吉目木氏はそのArt Tech ギター&ベースを「数十台」所有しているという。

吉目木氏所有「杉浦さんが“Yoshimeki Model”と呼んでいるモデル達」その一部:
4弦スルーネックエクステンディットフレットベース / 6弦スルーネック31フレットレスベース
12弦セミホローフレットレスギター / 6弦スルーネックセミホローフレットレスベース

オノ氏、吉目木氏の二人から糟谷氏、杉浦氏へと“運命的な”繋がりを見せるピープル・トゥリー。
そして、オノ氏から吉目木氏へオーダーが依頼される。

SDMカスタム・ケーブルの“オリジン”『SD-9001』、その生産は2000年台初頭に終了する。
以降、SDMが長きに渡り掲げて来たテーマ・・・『SD-9001』に代わるモノを。

歴史的なWestern Electric社製品群の研究を経て、マイクロホン、アンプからスピーカーまで多岐に渡る製品開発を行ってきた中で、自らの、そして顧客であるVIP達の楽器・システム用にケーブルも開発・製造して来た吉目木氏。

近年では、グラミー賞受賞バンド・Phoenixへのカスタムケーブルも製作。

そして新たなディケイド、2020年台を目前にして、吉目木氏に託された“SDMカスタムケーブル”再来への牌。
その直後・・・世界を覆ったコロナ禍。
その中でもオノ氏と吉目木氏の間で絶えず意見交換が交わされ、テスト機の往復が重ねられた。
そして約1年が経過した頃・・・

オノ氏が感じた手応え。そのケーブル “ver.1”は、すぐにSDMで実地投入され、更なる検証、リファインが繰り返された。

そして・・・世の中が落ち着きを見せ始めた2023年。
SACD 『Jazz, Bossa and Reflections Vol. 1 / Compiled and Mastered, by Seigen Ono』プロジェクトが始動。

その最中、SDMのDSD機器群とアナログ機器群の間に接続された、“赤い”ケーブル。

『SD-9007』:
約20年の間求められてきたSDMの“ミッシング・ピース”。

オノ氏の“理想“が遂にカタチを現す。

(SD9007サイドストーリー #6につづく)


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ご試聴頂けます★

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SDM / Family Labo
SD-9007 トランスファー・ケーブル

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糟谷銑司(かすや・せんじ) Senji Kasuya:
音楽プロデューサー
1975年11月 株式会社ユイ音楽工房入社
1988年3月 株式会社アイアールシートゥコーポレーション設立
1991年3月 株式会社アイアールシートゥスタジオ設立
ユイ音楽工房時代に長渕剛、BOØWYを育て、その後、布袋寅泰と共に株式会社アイアールシートゥコーポレーションを設立、布袋寅泰、COMPLEX、今井美樹、大野真澄 etc.を手掛ける。
>>>Musicman HP 2007年掲載インタビュー

吉目木邦彦(よしめき・くにひこ)  Kunihiko Yoshimeki:
東京生まれ、東京大学科学史科学哲学科卒。
プロ・ベーシストとしてジョージ大塚マラカイボでデビュー。山口真文グループのレギュラーを経て霧生トシ子、ケニーカークランドなど多数のミュージシャンと共演。
その後、ギターの原型となった中東のウドを楽器の原点の一つとして重点的に研究、新しい演奏技法を開発し2016年のカタール国際音楽フェスティバルのウド部門でトロフィーを受賞する。
また、国連UNESCOの呼びかけにより1994年に東大寺で開催され、ボブ・ディラン、ジョニー・ミッチェル、ジョン・ボン・ジョビ、ライ・クーダ、INXS、ウェイン・ショーター、布袋寅泰、X JAPAN, 玉置浩二、近藤等則などが共演した伝説的コンサート『The Great Music Experience』においては、日本側のExecutive Producerを務めた。
技術者として、アメリカの国家プロジェクトとして開発された音響機器メーカー『 Western Electric / ウエスタンエレクトリック』社製品群の研究、再生を続けながら、量子物理学にまで及ぶ先端テクノロジーを研究。それらの知見を組み合わせた録音・音響機器群の開発、製造を行い、世界各国の一流プロフェッショナル達からのオーダーメイドの要望に応える。

[吉目木氏/Family Laboがサポートするミュージシャン・リスト(一部)]:

フェニックス Phoenix : 仏を代表する国民的バンド。2009年リリースのAL『Wolfgang Amadeus Phoenix』でグラミー賞を受賞。Coachella Festival等、世界各国の音楽フェスティバルにヘッドライナーとして出演。2024年パリ・オリンピック閉会式出演。

ユーリ・レヴィッチ Yuri Revich :EU圏における人気・実力No.1を誇るヴァイオリン奏者であり、数々の受賞歴を持つ作曲家でもあるモスクワ出身の音楽家。使用楽器リストに1709 “Golden Period” Stradivariusが含まれる。

劉宏軍 Hongjun Lyu:中国大連生まれ、天平楽府監督、正倉院楽器復原製作、1987年 映画「ラストエンペラー」で坂本龍一と共同作曲、2001年 NHKドラマ『陰陽師』『聖徳太子』の古代音楽指導/作曲等、多岐にわたる活動を続ける音楽家。

オノ セイゲン  Seigen Ono:
レコーディング / ミキシング / マスタリング・エンジニア, アーティスト
録音エンジニアとして、82年録音の清水靖晃「案山子」「うたかたの日々」、坂本龍一「戦場のメリークリスマス」、渡辺貞夫「パーカーズ・ムード」(85年)「ELIS」(88年)、加藤和彦、三宅純、ヒカシュー、青葉市子、東北ユースオーケストラ、ジョン・ゾーン、マーク・リボウ、 アート・リンゼイ、ビル・フリゼール、ラウンジ・リザーズ、オスカー・ピーターソン 、キース・ジャレット、マイルス・デイビス、キング・クリムゾン、ジョー・ジャクソン、デヴィッド・シルヴィアン、スティーブ・ジャンセン、など多数のアーティストのプロジェクトに参加。2012年からは映画Blu-ray化の音声トラックのマスタリングも手がける。
また、アーティストとして1984年にJVCよりデビュー(今年40周年)、87年に日本人として始めてヴァージンUK(アーティストとして3枚)、ヴァージン・ミュージックパブリシング(作家として10年)と契約。同年、コム デ ギャルソン 川久保玲から「誰も、まだ聴いたことがない音楽を使いたい」「洋服がきれいに見えるような音楽を」という依頼によりショーのためにオリジナル楽曲を作曲、制作。アート・リンゼイ、ビル・フリゼール、ジョン・ゾーン、マーク・リボウ、フレッド・フリスら、80年代のNYダウンタウン・シーン最精鋭たちが結集した『COMME des GARCONS SEIGEN ONO』は、2019年度 ADCグランプリ受賞。 1993年以来スイス、モントルー・ジャズ・フェスティヴァルに4回、アーティストとして出演している。

SDM / サイデラ・マスタリング  Saidera Mastering & Recording:
オノ セイゲン氏により1996年に設立。早期よりDSD/SACDをはじめとするハイ・レゾリューション・フォーマットを手がけ、ハイレゾ・シーンの品質向上、普及に大きな貢献を果たす。近年では映画Blu-ray化のためのマルチトラック・マスタリングをはじめとする映像分野の音声も手がけ、その品質向上に寄与。