【新製品レビュー】KORG modwave

今度はウェーブテーブルだ!KORGのパワフルな37鍵シンセ兄弟に、これまたディープな一台が加わります。

波形をリズミカルに切り替えることで、ダイナミックなフレーズ生成を実現する「ウェーブ・シーケンス2.0」をフィーチャーした「wavestate」、FM音源の概念を打ち破る明解な操作性でFMシンセを再定義した「opsix」。往年の名機のリバイバルに留まらない、シンセマニアも納得のシリーズの次の一手は、ウェーブテーブル音源です。

KORG modwave WAVETABLE SYNTHESIZER

都内某所にて、早速の実機レビューです! ※新製品情報局・製品紹介はこちら

ウェーブテーブルとは?

まず、モデル名にも記載されている「ウェーブテーブル」について触れておきましょう。1980年代初頭のアナログシンセからデジタルシンセへの過渡期、まずは正確なピッチを実現するために、オシレーターのデジタル化が流行しました。ノコギリ波やパルス波等のシンプルな波形は比較的簡単に置き換えることができましたが、限られたメモリー領域の中でどうやって新しいサウンドを生み出すか、各社の創意工夫が見られた時代です。

ウェーブテーブル音源もそうした時代の音源の一つで、単周期の様々なデジタル波形を繋ぎ合わせた「ウェーブテーブル」を内蔵し、読み出しポイントを変えることで多彩なオシレーターサウンドを生み出します。読み出しポイントをリアルタイムで変更すれば、独特のグリッチ感を伴うデジタル臭いサウンドが生まれるため、近年でもソフト/ハードを問わず多くのシンセに搭載されている人気の音源です。

KORGも1980年代中盤にDWGS音源と呼ばれる、デジタル波形メモリ(ウェーブテーブル)をベースとした音源+アナログフィルターという構成のシンセサイザー「DWシリーズ」を発売しています。


上:DW-8000(1985年発売)/下:DW-6000(1984年発売) ※資料提供:KORG

大ヒットした名作アナログシンセ「Polysix」と、これまた大大ヒットの超名作ワークステーション「M1」の狭間の製品であったため、KORGの歴代シンセの中でも割とマイナーな存在だったりします。しかしながら、オシレーター以外はほぼアナログのシグナルパスを持つDW-6000、波形倍増&M1に繋がるウェットなデジタルエフェクト搭載のDW-8000のサウンドはもう少し再評価されても良いかと思っていたところでしたので、今回のmodwaveのアプローチには興味津々です。

ででん。

モデル名の中に埋め込まれた「dw」の文字、パネル上の配色にDWシリーズのDNAが引き継がれています。

実は超オーソドックス

結構な密度でツマミやスイッチが並ぶルックス&ウェーブテーブルという言葉のイメージで、複雑なデジタルシンセという先入観を持ってしまいがちですが、基本はいたってシンプル。1つのプログラムあたり2基のオシレーターとフィルターを持ち、ADSRエンベロープやLFOでコントロール。この「プログラム」を2つレイヤーした「パフォーマンス」が音色の基本単位となります。フィルターの質感や最終段のデジタル・エフェクト、モジュレーションルーティング等は既存のモデルの特徴をそのまま引き継いでいますから、ここでは以下の3要素にフォーカスしてチェックしていきましょう。

ウェーブテーブル音源

modwaveの最大のキモであるオシレーター。個々のオシレーターに割り当てるウェーブテーブルを選んで、セクション内のコントロールノブをグリグリすれば、とにかく音もグリグリ追従します。ディスプレイには波形が表示され、ノブの動きに合わせてサウンド&グラフィックがどんどん変化するのが気持ち良い!ウェーブテーブルも様々なバリエーションが用意されており、もちろんDW-6000やDW-8000の波形もちゃんと受け継がれています(オリジナルモデルのパネル上に印刷されている8種類/16種類の波形ですね)。

一般的なウェーブテーブル音源は、波形の読み出しポイント(POSITIONノブ)を動かして音色をコントロールしますが、modwaveにはさらに「MORPH」という読み出された波形に変化を加えるノブが用意されています。「MORPH」は様々なバリエーションが用意されているため、その組み合わせは無限大と言っても過言ではないでしょう。面白かったのが「SYNC」。アナログシンセのいわゆる「オシレーターシンク」なのですが、オシレーター単体で完結します。つまり、オシレーター1でシンクっぽい音を作っても、オシレーター2は手付かずのまま。両オシレーターで「SYNC」を同時使用もできる・・・裏でマスターオシレーターが存在しており、それぞれがそちらにシンクしている感じでしょうか?

読み出しポイントをグリグリやっても、往年のウェーブテーブル音源の様なブチブチとしたグリッチ感は少なく、なめらかで洗練された印象を受けました。また、モードを変えればシンプルなPCM波形のプレイバック・シンセとしても使えますから、緊急時(?)にも安心です。

モーション・シーケンシング2.0

wavestateのウェーブ・シーケンシング2.0と同様の概念で、様々なパラメーターをステップ単位で細かくコントロール。それぞれのパラメーター(レーン)のループポイントを様々なコントローラーで動かすことで、有機的で継続して変化するパターン・シーケンスを作り出すことができます。1ステップ毎の細かな設定はもちろん、リアルタイムでのノブの動きを記録して直感的なパターン生成もOKです。更に、内蔵のアルペジエイターを組み合わせれば・・・!

Kaoss Phisics

KORGといえばカオスパッド、という方も多い筈。指でなぞるだけで複数のパラメーターを劇的にコントロールできるX/Yパッドは同社の様々な製品に組み込まれていますが、modwaveのX/Yパッドは更に進化しています。「Phisics」モードでは、パッドの領域内をボールが転がったり、跳ねたりする様子を物理モデルによって再現しています。パッド中央部をすり鉢状に窪ませて吸い込まれていく動きや、逆に山を作って周辺部に落ちていく様子、更には表面の摩擦/抵抗で減速度合いを調整したり、山/窪みの大きさを変えたりオフセットさせたり・・・。

X軸/Y軸それぞれの位置、中心からの距離やX軸に対する角度など、様々な変調先をアサインすることで、これまでに無い動的なサウンド変化が生じる・・・これだけでご飯3杯は軽くイケますね。

・・・とまあ、マニアックな要素てんこ盛りですが、プリセットを選んだらX-Yパッドや赤い4つのMOD KNOB、モジュレーション&ピッチベンドホイールといったコントローラーを動かすだけで、驚くようなサウンドが出てくるイージーさも持ち合わせています。

オシレーターもシンプルな使い方であれば、スタンダードな減算方式のアナログ・モデリングシンセとして使えますから、いわゆる「2台目シンセ」としても良いのではないでしょうか。

お約束のサイコロボタンによるランダマイズ・ガチャ機能ももちろん搭載されていますから、ゲーム感覚での音作りも楽しめます。

 

・・・最後に。

3兄弟、パネルのデザインだけでなく、周辺部の作り込みも凝ってます。格子状のダイヤカットのwavestate、細かなストライプのopsix、そしてパネル上の波形プリントモチーフがそのまま繋がったmodwave。ハードウェア・シンセだからこそ味わえる造形美、所有欲も満たせます。

 

シンセシスの沼へようこそ

37鍵のカジュアルな筐体にユーザーフレンドリーな操作性。そこに「ウェーブシーケンス」「FM」「ウェーブテーブル」というディープなシンセシスをブッ込んだ三兄弟。

最新作のmodwaveの奥深さは、とてもこの価格のシンセサイザーとは思えないヤバさを感じます。DWシリーズのリバイバルなんて言葉じゃとても片づけられません。オリジナルDWはあくまで切っ掛けにすぎず、自由な発想と現代のテクノロジーで再構築した次世代のハードコア・ウェーブテーブル・シンセサイザーと言えるでしょう。

ウェーブテーブルがもたらすシンセシスの深淵を覗くとき、深淵もまたこちらを覗いているのだ。シンセシスに魅入られた皆様、こちら側へようこそ。

 

KORG modwave WAVETABLE SYNTHESIZER
2021年8月8日発売予定

お問合せは鍵盤堂まで!
TELL: 03-5728-6941
e-mail: kenbando@ikebe.co.jp

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