【新製品レビュー】KORG NAUTILUS & OPSIX

本日(2020年11月14日)、渋谷にコルグの新しいショールーム「KORG EXPERIENCE LOUNGE SHIBUYA」がオープン。

つい先日、話題の新製品2機種が発表されたばかりですから、お目当てはもちろんそれらの実機チェック!ショールームの様子と併せ、鍵盤堂スタッフによる最速レビューをお届け致します!

NAUTILUS

KRONOSシリーズの後継モデルとなる、KORGの次世代ミュージック・ワークステーションがこの「ノーチラス」

61鍵モデル

73鍵モデル。Cスケール(最低音がC)ですね!

88鍵モデル

意外だったのは、KRONOSよりも随分シンプル&あっさりしたデザインになったこと。小型化されたディスプレイ(もちろんタッチパネルです)、シンプルに集約された操作子は、KORGのワークステーションの元祖「M1」を彷彿とします。パネル上部の緩やかな曲面はWAVESTATIONっぽくもありますね。ディスプレイの輝度も控えめ、ボタン類の照明も穏やかで、ギラギラ光らない落ち着いたデザインが好印象。

基本的な操作はタッチパネル。よく使うページ等は、パネル右端の「クイックアクセス」に割り当てておくことで、ライブやスタジオ等用途に合わせてカスタマイズ可能です。

KRONOSには無かったオクターブシフトボタンが追加されているのもポイント。特に61鍵モデルには有難い機能です。キーベッド(鍵盤ユニット)はバタつき感の無いKRONOSのものを踏襲していますが、NAUTILUSはアフタータッチが搭載されておりません。ダイレクト感を増したタッチと引き換えのアフタータッチ省略は好みが分かれるところです。

面白いのが、この収納式のロータリーノブ。セッティングを決めたら、不用意に触ってしまわない様に本体パネルに潜らせることができます(ノーチラスだけに!)。コンパクトエフェクターではよく見るギミックですが、電子楽器では珍しいですね。

スライダーコントロールは非搭載のため、シーケンサーのトラックボリュームやオルガンのドローバー等をダイレクトで操作したい場合は、スライダー型のUSB MIDIコントローラーを接続することで対応可能です。

今回、フレーズ自動生成エンジンのKARMAは非搭載、代わりに多機能なアルペジエイターが搭載されています。

ステレオアウトに加えて8パラアウト、各種ペダルやMIDI、USB端子等、背面パネルの入出力端子もワークステーションとしては標準的。

61/73モデルは大胆な構造のアルミパネルが底板&側板に採用されています。「ノーチラス」の名前の通り、確かに潜水艦っぽいデザイン、ですよねネモ船長?

底面も堅牢な金属製。

88鍵モデルは、高級感のある木製パネル。

「R」が光ります(88鍵のみ)。

誇らしげな「MADE IN JAPAN」の文字。

あえてDAW/ソフトシンセと距離を保ち、スタンドアローンのミュージック・ワークステーションにこだわったハードウェア・シンセサイザー「NAUTILUS」は、満漢全席てんこ盛りな状況を一旦リセット。サウンドと演奏性を最優先に、大胆なリストラクションを実行したソリッドでマッシブな一台と言えるでしょう。

詳細な仕様・スペック等はこちらのページでご確認ください。

 


opsix

きっかけは、2020年1月のNAMM SHOWで何の説明も無く唐突に展示されていた謎のモデル。

パネルには「OPSIX」の文字。「アルゴリズム」と呼ばれる、6つのオペレーター(オシレーター的な要素)のルーティングが描かれた図。それがYAMAHA DX7に似た6オペレーターのFMシンセサイザーであることは(ベテランのシンセ好きなら)誰の目にも明らか。ノブやスライダーが並んだそのパネルレイアウトは、随分開発が進んでいることを伺わせました。

(ちなみにその下のクロームメッキのパネル、NAUTILUSだったんですね!)

そんなOPSIXが、ちょっと小さくなって(笑)11月11日に正式発表。気になって仕方が無かったNEW FMシンセ、いよいよ実機とご対面です!

WAVESTATEと同サイズの筐体に、NAMMで展示されていた61鍵モデルとほぼ同様のパネルレイアウトが組み込まれています。

FM音源は、アナログシンセのオシレーターに相当する「オペレーター」が、音源としてもモジュレーションソースとしても使える構造。そのまま音を出す場合は「キャリア」、モジュレーションソースとして、他のオペレーターを変調する場合は「モジュレータ」と呼びます。その関係性は、「アルゴリズム」と呼ばれる組み合わせを選ぶことで決まります。

OPSIXは6つのオペレーターそれぞれに独立したスライダーとノブが用意されており、それぞれのレベルと周波数をダイレクトにコントロールできます。

小さなディスプレイとボタンでチマチマエディットしていた往年のFM使いならこれだけでも嬉しいのに、更に感動的なのはキャリアとモジュレータが色分けされていて、どちらをコントロールすべきか直ぐに判別できるところでしょう(画像上)。

更に、個々のオペレーターはサイン波のみだった往年のFM音源とは異なり、単体で様々なモードが選択可能。選択されたモードはこれまた、SHIFTボタンを押すことで照明の色が変わり判別できます(画像下)。

ディスプレイ左側の図が「アルゴリズム」。40のアルゴリズムの32個目までは、DX7と同じ構造、当然同シンセの音色の互換性があるのはVOLCA FMの前例もありますから想定内。更に自分でアルゴリズムを作ることもできるため、よりマニアックな音作りも可能です。

ディスプレイ右側には6つのソフトノブ。選んだページによってパラメーターが変化、その内訳はディスプレイで確認できます。FMでとりあえず倍音を作りまくった後で調整するのに便利なフィルターも当然装備、MS-20やM〇〇Gタイプ、バンドパスやハイパス等、豊富に搭載されています。個々のオペレータ別に細かく設定すると面白いエンベロープも、カーブがリニア/対数が簡単に選べる等、楽しすぎる仕様です。

16個並んだ自照式のボタン、初期状態ではアルペジエイター/シーケンサーのステップコントロール等に使える状態となっており、某ミクさんの色に光ります。もう見るからにFMシンセという色あいですよね(笑)。

「フェイバリット」モードではボタンを押すとダイレクトにパッチ切替が可能に。この時はバンクによって点灯色が変わります。

パネル右側には「サイコロ」マークのランダマイズ機能。完全なランダムだけでなく、現在のパッチの骨格を残して一部パラメーターのみをランダマイズする設定も可能なので、非常に楽しく実用的な「ガチャ」機能と言えるでしょう。

ちょっと残念なのは、3オクターブの標準サイズ鍵盤ながら、アフタータッチ非搭載なこと。モジュレータのピッチやレベルをアサインして、指先でギュンギュンやったら絶対楽しいハズ。是非アフタータッチ搭載で61鍵バージョンの展開を期待しちゃいます。このサイズと軽さ(2.9kg)も超魅力的ですが!

ダイレクトな操作で劇的に変化するサウンドはこれぞFM。素早い操作には、ちょっと解像度荒めでグリッチ感を伴って追従する感じもデジタルっぽい気持ちよさがあります。ついつい時間を忘れてのめり込んでしまう中毒性、これはオススメです。

まだまだ掘り下げたい部分はたくさんありますが、本日はとりあえずここまで。

KORG
OPSIX(ALTERED FM SYNTHESIZER)

詳細情報はこちら

 


KORG EXPERIENCE LOUNGE SHIBUYA

今回の会場となったのは、渋谷に新しくオープンしたコルグのショールーム「KORG EXPERIENCE LOUNGE SHIBUYA」。

KORG/KIDの様々な製品を体感できるショールーム。鍵盤堂からも徒歩圏内、ご来店のついでに是非足を運んでみては如何でしょうか。コロナ禍が落ち着いたら、様々なイベントの開催も期待できそうですね!

オープン日
11月14日(土)※11:00〜15:00
住所
〒150-0031 東京都渋谷区桜丘町4-23 渋谷桜丘ビル2F  ※渋谷駅より徒歩7分
営業時間
平日 13:00~21:00
土曜・日曜・祝日 11:00~19:00
定休日…火曜日

https://www.korg.com/jp/news/2020/1102/

 

 

おすすめ記事はこちら>>

PAGE TOP