近藤等則~スタジオ機器レポート2016 (3)

from Kawasaki, Japan.
Toshinori KONDO、現在の活動拠点。

氏のアイコンである、エレクトリック・トランペット・システム。
自身の手によるトラック制作ツール。
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その“機材を選ぶ”目。
“新しい何か”を求める嗅覚。

まだ、暑さの残る2016年初秋某日。
近藤氏の新規機材のセレクトに立ち会う機会を得ました!
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この秋以降、日本各地のみならず、海外での公演も予定されている近藤氏。
この機に、自身が持ち運ぶライブ用システムの“小型化”を図りたい、と。

今回の課題。
氏のここ数年のライブで、数多くの機会、目撃されてきたDSDレコーダー『KORG MR2000S』
これまで、近藤氏は、ライブで再生する自身のトラックを「DSDフォーマット」で持ち運んでいたのです。

「この音質をなるべく落とす事無く、小型化したい。」

いくつかの現行“小型機”を選定した結果、残ったこのモデル。

『TASCAM / DR100MK3』
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小型ポータブル・レコーダー界に一石を投じた、2016年度のニューカマー。
メーカー曰く、“シンプルに高音質を目指した”という製品コンセプト。
24bit192kHzのレゾリューション。

果たして、DSD5.6MHz品質からの移行は?

テストは、『MR2000S』にストックされた氏のDSDマスター素材を アナログ・ラインで『DR100MK3』に接続、24bit192kHzで録音、再生が試みられました。

結果。

「音は変わるが、高域の鮮度、そして低域の再現は出来ている。」

との弁。
つまり・・・
この次のライブ遠征から早速、帯同させたい、と!

実は、もう一台、最後まで選に残っていた機がありました。

『Roland R-44』
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「こちらも良かった。中域に密度がある。」

大きさ、そして駆動電源の使い勝手の部分で、一歩『DR100MK3』に譲った本機。
しかしながら、本来の機材の目的、4トラック(24bit96kHz)の「録音」記録用として使用を検討したい、と!

「テクノロジーの進歩で、どんどん荷物が軽くなる(笑)」

良かったです!(笑)

そして、この日より少し遡った2016年夏、氏の“エレクトリック・トランペット”のシステム中核部にも変化が訪れていました。

この日スタジオで見たセットアップ。
発売当初より導入されていた青いペダル型ギターシンセサイザー『BOSS SY-300』の隣に、『BOSS DD-500』の姿が!
更に、その直下のラック内に、過去から所有されていた『tc electronic G-FORCE』が返り咲き!
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この『SY-300』+『DD-500』+ 『G- FORCE』の組み合わせ。

「新しい音が生まれた。」

笑顔で語る近藤氏。
スタジオで、早速“新しい音”を聴かせて頂きました!
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ビンテージ『TRIDENT』コンソール、そして『MANGER』スピーカーを経由する、ダイレクトな新生“2016年型・エレクトリック・トランペット”の音。

『SY-300』でモジュレーションされたサウンド、
『DD-500』の澄んだ、そしてトリッキーなディレイが加えられ、
『G- FORCE』がONされると・・・

おぉ、単なる“音の変化”に留まらない、まるで生き物の様に“蠢(うごめ)く音”が!

「これは、もう、“電気”トランペットではなくて、“電子”トランペットだな(笑)“Electric(エレクトリック)”ではなく、“Electronic(エレクトロニック)”。これからのライブが本当に楽しみだ。」

私も楽しみです!

そして更に、スタジオで見つけた何気なもう一品。

無造作にコンソール上に置かれていたこのヘッドホン。

『Fostex T40RP mk3n』
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長年愛用されていた『SENNHEISER HD600』が壊れた事を機に、“何か新しい”モニターヘッドホンがないか、と探し始めたタイミングでリリースされた、日本のFostexのスタジオ用新作ヘッドホン。
独自の平面ドライバーを持つ、Fostexの『RP』シリーズ、古くはマイケル・ジャクソンが愛用していた事でも知られています。
2016年に刷新された『RP』シリーズは、そのナチュラルな解像度により、当店でもにわかに評価を上げているところ!

一聴して即、採用が決まった同機。
『HD600』から『T40RP mk3n』への移行に違和感はありませんでしたか?

「密閉型になったこともあり、ゼンハイザーよりもFostexの方が音が集中している。そして、細かなところまでよく聴こえている。」

RPシリーズが得意とする、その解像度に満足されているご様子!
録音、制作、そしてライブ遠征時にも愛用されているとのこと!

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上記、スタジオ訪問から少し時間が経過した2016年10月頭、東京。
氏のNY時代からの知己であるSax奏者、Peter Brotzmann(ペーター・ブロッツマン)氏との共演。
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ステージ上の近藤氏のエフェクターラックには、もちろん、
『BOSS SY-300』+『BOSS DD-500』+『tc electronic G-FORCE』の姿が!
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近藤氏のライブをずっと見続けてきたベテランの方(?)からも、即座に

「近藤さんの音、変わった!?」

との反応!
えぇ、変わってます!!

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常に“新しい”何かを求め続けてきた、その姿。
近藤等則氏の「音」は、今も尚、刻々と更新されているのです!

【関連記事】
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近藤等則ライブ at HBC Apr.2016 レポート

【2016年リリース CD】
夢宙-DreamSpace/近藤等則 Toshinori Kondo【CD】
Toshinori Kondo / Dream Space CD
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【LIVEスケジュール】

■■D-K LIVE SYMPHONY OF VISON 2016
10/30(日)
日没~21時
長谷川 章 (デジタル掛け軸ープロジェクションマッピング)
近藤等則(エレクトリックトランペット)
場所:世界文化遺産 万田坑(熊本県荒尾市原万田200-2)
料金:無料
TEL:万田坑ステーション 0968-57-9155
HP: arao-kankou.jp/blog/4333/

■■Toshinori Kondo Tour 2016 in Kyusyu ″魂の共振″
近藤等則(support musician:EIJI Shibata)

10/31(月)
at 小倉フューズ
開場19:30/開演20:00
前売3,000円/当日3,500円(要1ドリンク)
福岡県北九州市小倉北区京町2-2-19
小倉ジャンジャンビルB1F
TEL:093-551-3510
MAIL:fuse@east-w.co.jp
HP: sv54.wadax.ne.jp/~east-w-co-jp/fuse/
チケット予約:
sv54.wadax.ne.jp/~east-w-co-jp/fuse/html/ticket.php?sid=1984

11/1(火)
at Livehouse&Club PEACE
開場19:00/開演20:00
前売2,500円/当日3,000円
福岡県福岡市中央区荒戸1丁目9-22
TEL:092-741-5405
HP: www.peace-livehouse.net/index.html

11/2(水)
at CLUB TEATRO
OPEN:22:00
CHARGE:2,500円
長崎県佐世保市栄町3-15
TEL:090-7516-6895
sasebo2.com/open/19504

11/3(木)
at 熊本NAVARO
OPEN:19:30
CHARGE:2,500円
熊本県熊本市中央区南坪井町10-1ビル地下
TEL:096-352-1200
MAIL: kumamoto.navaro.contact@gmail.com

11/5(土)
at RockRide
OPEN 19:30 / START 20:00
前売¥2,500 / 当日¥ 3,000 (+1DrinkOrder)
ローソンチケットコード: 85154
佐賀県佐賀市呉服元町2-4
TEL:0952-26-2687
Mail:ta_music_rag_g@yahoo.co.jp
HP:http://ameblo.jp/t-a-music/entry-12186230293.html

■■The Future of Electronic Improvised Music
~電子即興音楽の未来

“いのちの根源である呼吸を電子化する
電子化された呼吸がいのちを即興する
即興こそいのちの現れだ”

近藤等則(Electronic Trumpet, Tracks)

2016年11月22日(火)
会場:恵比寿 CreAto
ゲスト:山木秀夫
7:00pm 開場/7:30pm 開演
前売り4,000円/当日4,500円

2016年12月27日(火)
会場:六本木 Varit
ゲスト:DJ Sahib aka Yama、EIJI
7:00pm 開場/7:30pm 開演
前売り4,000円/当日4,500円

※上記スケジュールの情報は、一部更新されました。(10月28日)

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