イタリア発の新しい電子リコーダーが凄すぎた

イタリアの楽器メーカーARTinoise社のデジタルリコーダー「Lunatica」がいよいよ国内で発売されます。

国内ではコルグ社がARTinoiseの取扱いを行うとの事で、先日開催された商品内覧会に参加させて頂きました。当記事では会場の様子を一部交えつつ、Lunaticaでどういう事が出来るかについてお伝えしていきます。

 

主な機能・特徴

今までにもウィンドシンセサイザーというものは存在していたし、最近では電子リコーダーとしてTAHORNGの「Elefue」が人気が高いです。

しかしこれらの楽器はあくまで純粋な「電子楽器」であり、電源を入れなければ楽器としては使う事が出来ませんでした。また、音程を調整する為の穴は開いておらず、ボタンやタッチセンサー等を指で押さえて演奏します。

Lunaticaは、そういった今までのウィンドシンセサイザー等とは一味違っていました。

写真をご覧いただければ分かる通り、Lunaticaにはボタンやセンサーではなく本当に穴が開いています。つまり、実際にアコースティックのリコーダーとして吹くことが出来るのです。

そしてこの穴ひとつひとつにセンサーがついており、どの穴を押さえているかを感知する事によりMIDIコントローラー(ブレスコントローラー)としての使用が出来るようになっています。

 

コントローラーとしての使用には3つのモードがあり、一般的なブレスコントローラーと同じブレスセンサーを使用するモード、吹かなくても吹き口に触れるだけで音が出せるリップセンサーを使用するモード、穴をタッチするだけで発音するタッチセンサーを使用するモードがあります。ちなみに、タッチセンサーを使用するモードだとキーボードを弾くような感覚で和音も出すことが出来るようになっています。

吹く以外にも選択肢がある事によって、呼吸器系の疾患等を持っている人にも演奏が可能です。

 

 

専用アプリによる多彩な機能・音色

LunaticaにはBluetooth MIDI機能が搭載されており、対応する機器とMIDI信号の送受信が可能。

iOSデバイスと接続すれば、専用アプリを使って様々な事が出来ます。

アプリには3つのモードがあり、学習モード、演奏モード、デュオモード。

学習モードではアプリに内蔵されている曲が再生されつつ、画面に表示される楽譜に沿って演奏するモードで、演奏は採点されるようになっています。

収録されている楽曲は、クラシック系のものが比較的多いようです。

楽譜通りに吹くことが出来れば次の曲のロックが解除されて選べるようになるといったゲーム要素も備えています。

 

演奏モードではその名の通り、アプリに収録されている32種類の音色から自由に選んで、演奏する事が出来るモード。(ちなみに、学習モードやデュオモードでもこの音色は使う事が可能)

リコーダーの音色、クラリネットやトランペット等といった吹く楽器は勿論、ピアノやオルガン、ギターやシタール、ドラムやシンセサイザー等も収録されています。

【画像】アプリに収録されている音色は32種類。笛系統だけでなくギターやドラム等も揃っています

 

アプリ経由とはいえ笛で色んな音を出す事が出来るので、気分はまるっきり「ピューと吹く!ジャガー」のジャガーさんですね…。

ちなみにアプリを使用する時は、アコースティックの笛の音は出ないようにミュート用のパーツを付けておくと、本体からは音が出なくなります。

【画像】この透明なキャップを付けることでアコースティックの音はミュートされる

運指に関しても自由にカスタマイズ可能で、予め用意された数パターンから選んでも良いし、最初からオリジナルの運指を1から作る事も可能。

 

このカスタマイズ機能を利用して、デモンストレーターのBANANAsuさんは通常2オクターブ程度しか出せないリコーダーの音域を3オクターブまで出せるようにしていました。

また、モーションセンサーが付いており、吹きながら本体を上へ向けたりすることでモジュレーションをかけることが可能。(このモジュレーションや、吹く強さによるMIDI信号のCCはアプリで変更が可能)

 

デュオモードでは複数人のLunaticaを同じiOSデバイスに接続し、同じ曲をデュエットしたりする事が出来ます。

曲は全く同じメロディを吹くのではなく上下にパート分けされている為、ハーモニーを奏でる事ができデュエットらしデュエットを楽しむ事が出来るようになっています。

【画像】デュエットモードでは、パート分けされた譜面が表示される

 

ハードシンセ等との接続

上記で紹介したのはiOS上での話ですが、Lunaticaは実際のところAndroidやWindows、Mac、Linuxにも対応しています。ハードウェア的にBluetooth MIDIに対応していれば、設定次第で使う事が出来ます。

また、接続できるのはPCやスマホだけという訳でもありません。

CME PRO WIDI Master等のBluetooth対応のMIDIケーブルを使えば、MIDI端子の付いているものなら何でも演奏できます。

デモンストレーションでは、BANANAsuさんがmoogのSubsequent25をLunaticaで演奏していました。Subsequent25は本格的なアナログシンセサイザーで、通常であれば25鍵の鍵盤を使って演奏しますが、Lunaticaを接続したことによって非常に上質なウィンドシンセの音色が奏でられていました。

【画像】デモンストレーターはウィンドシンセ奏者のBANANAsuさん(左)とサックス奏者の荒川マナさん(右)

 

アコースティック・リコーダーとしての使用

前述の通り、Lunaticaはブレスコントローラーとしても優秀だが、ちゃんと穴が開いており、ミュート用のパーツを外すことでアコースティックのリコーダーとしても演奏する事が出来ます。

皆さんが小学校で使っていたであろうAULOSリコーダーなんかと比べると、音質は若干サラサラ(ザラザラ)している印象を受けました。この音質が良いのか悪いのかは使うシーン等によって異なるかもしれませんが、安っぽい音だとは感じませんでした。

また、AULOSリコーダーだとドとレの穴に窪みが付いていて、尚且つドの穴に関しては角度を付けられるようになっていたりと、押さえやすくするための配慮がなされていますが、Lunaticaは窪みも無ければ、角度を付ける事も出来ない仕様です。個人的にはこの点のみが少し残念だと思いました。

【画像】穴の開いている面は比較的フラットな形状になっている

 

ただ、それでも劇的に吹きにくいという事は無いので、慣れてしまえばそれほど気にならないのかもしれません。

運指や音域に関しては一般的なソプラノリコーダーと全く一緒です。

 

 

カラーリング・デザイン

Lunaticaのカラーラインナップは発売当初よりブルー・ホワイト・レッド・ブラックの4色展開。

実際に見てみて感じたのは、どのカラーも発色が非常に鮮やかで美しいという事。

この辺りはさすがはイタリア製というべきでしょうか。

同様の4色展開をしているTAHORNGのElefueと比較してみても、そのカラーリングの深見は一目瞭然です。

Elefueは艶消しのややマットな質感になっていますが、Lunaticaのカラーリングは艶のある仕上げになっています。

 

本体の材質はABS樹脂製との事ですが、カラーリングの深みのせいか手に持った感触としてもあまりプラスチックっぽさを感じないような上質な質感に仕上がっています。

 

まとめ

Lunaticaは、誰もが子供のころから知っている「リコーダー」という形をとっていますが、本格的なブレスコントローラーとしても使う事ができ、アプリを使えば友達や家族とデュエットして楽しんだり、使い方の幅は今までのどのウインドシンセよりも広いのではないでしょうか。

もちろんちゃんとサックスをやりたいとなればRolandのAE-30等を選んだ方が良いし、もっと価格を抑えたいという事であればTAHORNGのElefueという選択肢もあるかと思います。

Lunaticaは、誰でも気軽に楽しめて且つ多機能であり、また機能のカスタマイズ性もとても高いので、ユーザーが自分だけの使い方を模索する楽しさもあるように思います。

様々な可能性を秘めた新製品Lunaticaと、メーカーのARTinoiseの今後に注目です。

 

発売時期・価格

発売日:4月28日(金)

販売価格:¥29,920(税込)

 

商品ページ

LUNATICA WHITE

LUNATICA BLACK

LUNATICA RED

LUNATICA BLUE

 

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