DJのスタンダードアプリ「rekordbox 6」最新機能ガイド
デジタルを駆使するDJのマストアプリとして、世界中のDJを虜にする「rekordbox 6」。楽曲の管理からパフォーマンスまで、DJが求めるすべての機能を網羅したrekordbox 6は、幅広いDJスタイルを可能にします。
DJコントローラーとのセットアップでは、rekordbox 6の豊富な機能をダイレクトにコントロールして、直感的なDJを楽しめます。また、rekordboxで解析した楽曲は、USBメモリにエクスポートして、CDJやXDJでプレイすることもできるので、USBメモリだけを持ち出して、クラブでDJなんてことも可能です。
現在、最も主流なDJスタイルを実現できる唯一無二のDJアプリrekordbox 6は、初心者が初めて手にするDJツールとして、最適なプロダクトです。ここでは、rekordbox 6をもっと多くの方に知ってもらうために、主要な機能にフォーカスして、その特徴と操作方法を紹介していきたいと思います。
用途で選べる3つのプラン
rekordbox 6には、Free、Core、Creativeの3つのプランが用意されています。無償で使用できるFreeでは、楽曲の解析と、ライブラリをUSBメモリなどへエクスポートしてCDJやXDJでプレイする「Exportモード」を利用できます。
月額¥980(年間¥9,800)で利用できるCoreプランでは、DJコントローラーと組み合わせたDJプレイが可能となる「Performance機能」や、rekordbox 6にロードした楽曲を、CDJやレコードプレーヤーから直接コントロールできる「DVSコントロール」に対応しています。
さらに、月額¥1,480(年間¥14,800)の最上位プランCreativeでは、「Cloud Library Sync」に対応。PC版とスマホ版それぞれのrekordboxで行った楽曲管理を、すぐにクラウド上のライブラリーに反映できるので、どこにいてもDJの仕込みが可能です。その他に、ハイエンドなエフェクター「RMX EFFECTS」や、楽曲の構成を変更できる「EDITモード」など、プロフェッショナルなDJの欲求を満たす、最先端の機能を利用できます。
rekordbox 6のプランについては、rekordboxのオフィシャルサイト で、詳しく紹介されているので、そちらを参考にしてください。
Hardware Unlock対象モデルなら無償のFreeプランのままでPerformance機能(DJ機能)を利用可能!
DJ経験の少ない初心者には、料金を支払うことに、不安を感じる方もいるかもしれません。そんな方には、Hardware Unlock対象機種 の購入がおすすめです。対象機種を使用することで、有料プランの契約をしなくても、Performance機能を利用できます。
Hardware Unlockの対象機種を見てみると、豊富な機種がラインナップされていて、初心者にとっては、どれを購入すべきか悩みどころかと思います。そんな方には、当店が取り扱うDJコントローラーにおいてトップセールスを誇る「DDJ-400」がおすすめです。
DDJ-400は、幅482mm、奥行き272.4mm、重さ2.1kgのコンパクトなボディに、rekordbox 6をダイレクトにコントロールできるノブやボタンがバランスよく配置されています。場所を選ばず設置できるサイズ感と、高いコストパフォーマンスから、DDJ-400は、多くの初心者に選ばれています。
優れた楽曲管理と解析機能
ここからは、rekordbox 6の主要な機能を見ていきましょう。まずは、ブラウザを使用した楽曲の検索と管理方法について紹介します。
rekordbox 6へ初めてロードする楽曲は、エクスプローラ(画像青枠部)から検索し、ドラッグ&ドロップで、再生するデッキにロードできます。一度ロードした楽曲は、コレクション(画像赤枠部)に追加され、次回以降は、コレクションから検索することもできます。
楽曲をコレクションからデッキ1へロードした状態
コレクションは、新たな楽曲をロードするごとにアップデートされます。従って、rekordbox 6を使い続けると、コレクション内の楽曲数は膨大になり、その中から楽曲を探し出すのは大変です。そこでおすすめなのが、プレイリスト。ジャンルやDJを行う日付などのプレイリストを作成して、任意の楽曲をインポートすることで、検索がスムーズになります。
プレイリストの右側に表示される「+」をクリックして新規作成
楽曲の解析がパフォーマンスにもたらす効果は絶大です。解析により、楽曲のBPM(速さ)、KEY(調性)、Phrase(展開)などの情報を得ることができます。特に重要なBPMの検出により、後に紹介するBEAT SYNCやHOT CUEなど、rekordbox 6の主要な機能のポテンシャルをフルに発揮できます。
解析は、楽曲をデッキにロードすると自動的に開始されます。楽曲をロードすると、Analysis Settingが表示されるので、解析する項目をチェックして、OKをクリックします。
Analysis Setting画面
解析が完了すると、デッキにBPMとキー(画像赤枠部)が表示され、波形上に等間隔のラインが表示されます。このラインはグリッドと呼ばれ、これによりBPMが設定されています。
解析完了後のデッキ
パフォーマンスを進化させる充実のDJ機能
DJの基本となるスキルはミックスです。ミックスでは、楽曲をシンク(BPMを合わせる)させる必要がありますが、この操作をボタン一つで行えるのが、BEAT SYNCです。BEAT SYNC(画像赤枠部)を押すだけで、プレイ中の楽曲(Master)のBPMに同期するので、あとは次の楽曲をミックスするだけ。DJの醍醐味とも言えるミックスを、誰でもすぐに楽しめます。
また、Master Tempo(画像青枠部)を使用すると、楽曲の音程を変えずにBPMを変更することができるので、より音楽性の高いミックスが可能になります。
BEAT SYNCでDeck AとDeck Bを同期させた状態
DJでは、楽曲の展開に合わせたパフォーマンスが重要です。例えば、ミックスにおいて、楽曲のビートが開始される小節の1拍目からミックスしていくことで、グルーヴィなミックスが可能になります。しかし、ミックスの開始ポイントを、都度、マウス操作で設定するのは大変です。
この場合に役立つのが、楽曲の設定したポイントに瞬時に移動して再生されるHOT CUEです。1曲に対して最大で16個も設定できるHOT CUEは、楽曲の再生開始ポイントやブレイクなど、曲が展開するポイントに設定して使用すると効果的です。
HOT CUEの設定は、PADモードでHOT CUEを選択して行います。拡大波形表示パネル中央の再生位置(画像矢印部分)に、HOT CUEを設定するポイントを合わせて、HOT CUEボタン(画像赤枠部)を押すと設定されます。設定したHOT CUEは保存され(削除も可能)、再度楽曲をロードした際にも、すぐに使用することができます。
HOT CUE設定後の状態
直感性が求められるDJプレイでは、マウスやトラックパッドでのHOT CUEのコントロールに、限界を感じてしまいます。そこで、必要となるのがDJコントローラーです。
例えば、DDJ-400には、HOT CUEをダイレクトにコントロールできるパフォーマンスパッドが搭載されており、このパッドを使用することで、タイムリーにHOT CUEの設定や呼び出しを行うことができます。
DDJ-400のHOT CUEボタン
DDJ-400については、こちらの特集ページ で詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
DJプレイでは、効果的にエフェクトを使用することで、クールなパフォーマンスを演出できます。rekordbox 6には、DJに特化したエフェクトが豊富に搭載されており、シチュエーションに応じた使い分けが可能です。
プレイ中の楽曲に変化を加えたい場合は、ビートFX(画像赤枠部)を使用します。ビートFXには、1つのエフェクトを使用するシングルモードと、最大3つのエフェクトを使用するマルチモードがあり、切り替えボタン(画像黄枠部)を押して、モードを選択できます。
FXパネルをオンにしてビートFXを表示させた状態
シングルモードでは、複数のパラメーターを使用した詳細なエフェクトの調整が可能です。簡略化された最小限のパラメーターでエフェクトを使用できるマルチモードは、初心者向きのモードです。マルチモードでは、複数のエフェクトを組み合わせて、独自の効果を生み出すこともできるので、実験的な要素も秘めています。
ここでは、マルチモードの使用方法を紹介します。マルチモードでは、FX 1とFX 2でそれぞれ3つのエフェクトをアサインできます。FX選択プルダウンメニュー(画像矢印部)をクリックして表示されるエフェクトから、お好みのものを選択してください。
FX選択プルダウンメニュー
続いて、FX 1とFX 2にアサインしたエフェクトを使用するデッキを選択します。FX 1のFXアサインボタン(画像赤枠部)でデッキ 1を選択し、FX 2のFXアサインボタン(画像赤枠部)でデッキ 2を選択します。
再生中に、FXオン/オフボタン(画像黃枠部)を押すと、エフェクトが加えられます。楽曲(原音)とエフェクトの音量バランスを調整する場合は、FX LEVEL/DEPTHツマミを操作します。FXビートダウンボタンでは、エフェクトの拍数を変更することができます。
エフェクトをオフにする場合は、再度FXオン/オフボタンを押してください。
エフェクトのアサインとオン/オフ
rekordbox 6に搭載されているエフェクトは、ビートFXだけではありません。パッドを押すだけでエフェクトを加えられるPAD FXもおすすめです。PAD FXは、PADモード(画像黄枠部)から選択できます。
あらかじめ16個のエフェクトがアサインされているので、再生中にお好みのエフェクト(画像赤枠部)を押し続けると、エフェクトが加えられます。
PAD FXは、エフェクトの種類、拍数、ミックスバランスを変更して、カスタマイズすることもできます。オリジナルのセットを構築したいこだわり派のDJは、EDITボタン(画像矢印部)を押して、編集を行ってください。
PAD FXモード
ビートFXとPAD FXもまた、DJコントローラーを使用することで、直感的なコントロールが可能になります。DDJ-400のミキサー部には、ビートFX専用のノブとボタンが配置されており、それらを駆使することで、ビートFXのポテンシャルをフルに引き出すことができます。
DDJ-400のビートFX
PAD FXは、名前が表している通り、パッドで使用することを前提に設計されたエフェクトです。HOT CUEで紹介したパフォーマンスパッドをPADモードに切り替えることで、パッドを叩いてPAD FXのオン/オフをコントロールできます。瞬間的にエフェクトを加えるのに最適なPAD FXの操作には、パフォーマンスパッドが欠かせません。
エフェクトとともに、DJのパフォーマンスを向上させる機能がサンプラー(画像赤枠部)です。サンプラーとは、ボーカルやSE(効果音)などのサンプルをロードして再生させる機能です。ヒップホップやレゲエで耳にする、レゲエホーンなどのSEは、サンプラーで再生されています。
rekordbox 6には、サンプル用のスロットが、16×4バンクも装備されており、最大で64個のサンプルをロードして、リアルタイムに再生できます。サンプルも楽曲と同じように、ブラウザからドラッグ&ドロップで、お好みのスロットにロードできます。各スロットに装備されている「→」を押すと、サンプルの再生が開始されます。
サンプラーパネルをオンにしてサンプラーを表示させた状態
各スロットには、サンプラーEDITボタン(画像赤枠部)が装備されており、音量やプレイモードなどの詳細な設定が可能です。プレイモード(画像黄枠部)では、SEなどのワンショット再生、ドラムやフレーズのループ再生など、サンプルに適応したモードを選択できます。
サンプラーEDIT画面
サンプラーでは、キックやスネア、ハットなどをリアルタイムに演奏してビートライブを行うこともできます。このようなライブパフォーマンス性を取り入れたDJスタイルでは、より大きなパッドを搭載したDJコントローラーが最適です。
例えば、DDJ-400に比べてサイズの大きいDDJ-FLX6には、コントローラーのサイズに相応したパフォーマンスパッドが装備されているので、的確にサンプルを発音することができます。
DDJ-FLX6には、異なるBPMやキーを持つ楽曲をミックスする際に効果的なエフェクト「MERGE FX」が搭載されており、よりジャンルレスなDJが可能になります。DDJ-FLX6について詳しく知りたい方は、こちらの特集ページ をご覧ください。
DJを始めるなら「rekordbox」
rekordbox 6には、iOSとAndroid版のrekordboxが用意されており、モバイル上で、CUEやグリッドを編集することも可能です。モバイルで行ったそれらの設定は、rekordbox 6に反映できるので、移動中などのちょっとした空き時間を利用して、自身のライブラリーをアップデートしていくことができます。
また、rekordbox 6との親和性に優れた幅広いDJコントローラーがラインナップされているのも、大きな魅力です。あらゆるDJスタイルを可能にする豊富なDJコントローラーのラインナップは、ダンスミュージックはもちろん、K-POPやシティポップなど、ジャンルレスにDJを楽しめます。
コンパクトでモバイル性に優れたDDJ-400などのエントリーモデルは、PCから電源を得られるので、キャンプなどの野外に持ち出してDJすることも可能です。
このように、現代のニーズに対応したスタイルを可能にするrekordbox 6は、初心者をはじめとする全てのDJにとって、最強のツールと言えます。