【SENNHEISER】XSW 1-825-JB 誰でも使えるワイヤレスのパフォーマンスや信頼性は?

MD 421等のダイナミックマイクを中心にプロに愛されるマイクメーカーSENNHEISERは、プロ用のワイヤレスマイクメーカーとしても有名です。A帯と呼ばれる免許が必要な大規模PA向け製品はもちろんですが、バンドマンからイベントまで初心者でも免許なしで使える製品もリリースしています。

その中でも最も安価で手に入れやすいXSW 1-825-JBについて、実際にどのような製品なのか紹介してみたいと思います。

<XSW 1-825-JBワイヤレスマイクセット>

XSW 1-825-JB セット内容

  • 送信機:SKM 825-XSW-JB ハンドヘルド・トランスミッター
  • 受信機:EM-XSW 1-JB ステーショナリー・レシーバー
  • マイクホルダー:MZQ 1
  • ACアダプター:NT 12-5 CW

※モデル名末尾の「-JB」は、日本向けの製品(日本向けの周波数設定)であることを表しています。

パフォーマンスを検証。音質はボーカル用途に耐えられる?

マイクは音響機器ですから、音質が気にならない人はいないでしょう。XSW 1-825-JBの音質面についてチェックしてみます。

ワイヤレスマイクは送信機(マイク)と受信機のセットであり、特に重要視されるのは送信機(マイク)そのものの音質です。XSW 1-825-JBの送信機はSKM 825-XSW-JBと呼ばれ、マイクカプセルにe 825という既存のマイクのカプセルを採用しています。

e 825はステージ用マイクとして定評あるevolutionシリーズのマイクですが、SKM 825-XSW-JBではそのままe 825マイクカプセルを心臓部として使っています。

 

<SKM 825-XSW-JBのマイクカプセル>

 

マイクが扱える音の高さの範囲は周波数特性というスペックで表され、基本的には範囲が広い方が良いとされています。SKM 825-XSW-JBでは、低域は80Hzから高域は14,000Hzの高さまで扱うことができます。高額帯マイクと比べると範囲が狭いのですが、価格を考慮すればボーカルやスピーチ向けのステージマイクとしては十分な範囲です。

<ボーカル、スピーチ用途には十分な性能を持つ送信機>

 

ノイズも少なく、スイッチを入れて音を聞いても、よほど大きな音で再生しなければ機器ノイズを確認することができません。ボーカルで使ってみても、小音量から大音量まで、歪むことなくクリアな音質で出力してくれます。もちろん高額の業務用ワイヤレスマイクにはかないませんが、実用十分なスペックを持っていると言えるでしょう。

操作性を検証。初心者でも簡単に使いこなせる?

続いて操作性を確認してみましょう。ワイヤレスマイクは無線機ですから、使用にあたってはある程度の知識が必要とされていました。特に周波数選定が難しく、どの周波数を用いて伝送すべきか判断できないことも多くありました。

XSW 1-825-JBは送受信機双方にSyncというボタンがあり、これを長押しすることでオートスキャン・オートセットアップ機能が起動。自動的に最適な周波数を設定し、使える状態にしてくれます。

<送信機SKM 825-XSW-JBのSyncボタン>

 

受信機のアンテナマークが緑色になれば接続完了。どの周波数が使われているかもわからないまま、ワイヤレス通信が開始されるのです。まるでBluetooth機器を使っているような感覚で、周波数や無線機の知識が不要であることに驚きました。

<受信機EM-XSW 1-JBのSyncボタン>

 

また、送信機SKM 825-XSW-JBにディスプレイが搭載されていることも見逃せません。電池残量や電波の状態などが表示されるので安心です。使用されている周波数も表示されているので、ここで初めて実際にB帯という周波数の電波を用いたワイヤレスマイクだと実感しました。

<送信機SKM 825-XSW-JBのディスプレイ>

 

加えて、電波、音声の音量、電池残量は受信機からも確認することができます。特に電池残量が確認できることは便利です。電池残量が少なくなると赤いLEDが点灯しますから、電池切れになる前に電池交換を指示することができます。

 

<受信機EM-XSW 1-JBのディスプレイ>

 

以上のように、ワイヤレスマイクや音響機器の知識がなくても、家電製品と同じような感覚でワイヤレスマイクを使うことができます。

信頼性と耐久性について検証。プロ機器の信頼性はエントリーモデルでも健在?

プロ機器で定番のSENNHEISER、XSW 1-825-JBは低価格帯のワイヤレスと言えど、SENNHEISERの品質を受け継いで欲しいと思ってしまうものです。ということで、最後に耐久性や信頼性を確認してみました。

プロ向けのワイヤレスマイクシステムではトゥルー・ダイバシティ方式が採用されますが、XSW 1-825-JBではコストパフォーマンスの高いアンテナ・ダイバシティ方式を採用。ダイバシティというのは複数のアンテナで同一の無線信号を扱い、電波状況の優れた信号を使用する技術で、アンテナがひとつの場合よりも電波が途切れにくくなります。

さすがに高額ワイヤレスに対しては安定性が劣るものの、イベントや小規模会場、ワイヤレスマイクの本数が少ない会場では必要十分な安定性を実現しています。なお、アンテナ自体はレシーバー内にあり、コンパクトな筐体と安定性を両立しています。

<アンテナはレシーバー内にある>

 

送信機SKM 825-XSW-JBは2本の単3乾電池で駆動します。なんと連続で約10時間の駆動が可能となっており、リハーサルから本番まで、安心して使用することができます。また、乾電池は入手性が高いため、もし電池切れになってもコンビニエンスストア等ですぐに調達でき、安心です。

<送信機は単3乾電池2本で駆動>

 

その他、レシーバーの出力端子が複数あることも安心できるポイントです。イベント等の現場ではトラブルがつきものです。出力端子が複数あることで、トラブル発生時も様々な接続方法に対応できます。

加えて業務用機器との接続に適したXLR接続では端子がロックされるため、不意に抜けることを防止できます。さらには、電源アダプターの接続についても抜け防止が可能な構造となっており、プロ機器を扱うSENNHEISERのノウハウが感じられます。

 

<受信機EM-XSW 1-JBの背面>

 

以上のように、XSW 1-825-JBセットは、安価ながらも必要十分なパフォーマンスと仕様を備えていることがわかりました。プロではないボーカリストや自治会等の備品購入に適したモデルと言えそうです。

なお、プロが使用する場合は、上位機種であるXSW 2-835-JB、もしくはさらに上位のevolution wireless G4シリーズが適しています。XSW 2-835-JBは別の記事でXSW 1-825-JBとの違いを検証していますので、上位機種を視野に入れる場合はあわせて読んでみてください。

 

【XSW 2-835-JBの記事はコチラからどうぞ!】

 

XSW 1-825-JB のショッピングページは以下からどうぞ

おすすめ記事はこちら>>

PAGE TOP