[再掲載:2010-5記事]凄いモニタースピーカー、発表会レポート!【GENELEC 8026A】
2017年1月30日に永眠された、GENELEC社創始者、Ilpo Martikainen/イルポ・マルティカイネンさんを偲んで。
※本記事は、2010年5月度に書かれた記事です。
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こんにちは!
暑かったり、雨が降ったり、緩急に富む天候ですね!
先週末、私、沼田は、お祭り準備の湯島天神そばの某所にて開催された、話題のスピーカーの新製品発表試聴会に参加して参りました!
その話題の製品はこちら!
『GENELEC 8260A』!
メーカー希望小売価格 1本609,000円!!ペアではもちろんこの2倍!!
サイズも価格もどっしりなミッドフィールド・3wayモニタースピーカーです!
さてさて、話題の焦点は、こちら!
『8260A』は、GENELEC初の「同軸」スピーカーなのです!
ん?
2wayじゃん!!!
と思ったあなた、私も初見でそう思いました。
これは一体????
ここが同軸なのです!!!!
まだ解りませんよね!?
こうなっています!!
これは解らない!
あまりにも滑らかな継ぎ目!
そしてこの滑らかな継ぎ目にこそ、GENELEC社の革新的技術が!
そもそもTANNOYモニター等でも知られる「同軸」構造は、正確な位相を得やすい長所を持つ半面、周波数の干渉が起りやすい、大変チューニングの難しい構造とのこと。
その干渉をシンプルな方法論、かつ高い技術で解決したのが、このGENELEC社の『MDC(Minimum Diffraction Coaxial Mid/High driver technology)同軸ユニット』なのです!
その新開発『MDC同軸』ユニットが、同社お得意の先進技術『DCW(Directivity Control Waveguide)』が採用された、伝統の“アルミボディ”に収まり、ドライブされます!
その結果、得られる周波数特性がこちら!!
いやはや、目を見張るフラットさです!
GENELEC社は、創業者のイルポ・マルティカイネン/Ilpo Martikainen氏曰く、1978年の創業以来、「中立な音」を求めて、モニタースピーカーを作り続けて来ました。
そのひとつの到達点が、この『8260A』なのですね!
なお、周波数特性の数値も凄い!
なんと、下は29Hzからの低音再生を実現しています!
他社では、もうひとまわり大柄のスピーカーの数値ですね、これは!
サブウーハーのお世話にならなくとも、かなりの追い込みが出来ますよ!
そしてもうひとつの『8260A』の特徴はdsp制御によるキャリブレーション機能です!
デジタル制御で図られる、ルームアコースティックに則した音場の補正。
完璧を期す為の、この更なる技術の投入により、類まれなる理想的なモニターサウンドがミッドフィールドで実現します!
なお、この『8260A』では、デジタル制御の為、入力信号は一旦ADされるものの、「音にこだわった結果」、再度DAされ、“アナログ”アンプで駆動されています!
音への探求は尽きません!
さてさて、話題の尽きない『8260A』、果たしてその音は???
今回、様々なジャンル、フォーマットで数種のソースを試聴させて頂きました。
ん~、凄い!!
音の表情はもちろん、通常の再生では気付かないであろう「歪み」成分もばっちり再生!
これが「中立な音」なのですね!
そして試聴ソースにはなんと“匠”・沢口真生さん録音による高音質「UNA MAS」の24bit96kHz“生”ファイルも!
沢口さんご本人もご来場されていました!
沢口さん、ご自身のミックスを『8260A』でお聴きになった感想は?
「凄く素直で良い音ですね。」
おぉ、匠のお墨付きです!
「でも、ちょっと家に置くのは大きいかな。」
あらら(笑)
イルポさん、次は“も少し小さい3way”お願いします!
そして、今回の試聴会の為、わざわざ来日され、『8260A』を語って頂いたイルポさんと、再会の記念撮影!
いつもの穏やかな笑顔、ありがとうございました!
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※本記事は、2010年5月度に書かれた記事です。
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