【再掲載】近藤等則さん機材ストーリー、MORE!【その1~プリアンプ編】(2013年5月23日)
1948.12.15. – 2020.10.17.
R.I.P. Toshinori Kondo
本年10月17日に逝かれた近藤等則さん。
近藤さんのトレードマークである、エレクトリック・トランペットのシステム構築において、イケベ楽器店は、特に2000年代以降、マイク、エフェクター、プリアンプ、更にはトランペット本体に至るまで、何かと接点を頂いて参りました。
その思い出を偲んで、2013年度に当社媒体に掲載させて頂いた機材にまつわるインタビュー記事を再掲載させて頂きます。
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追悼:近藤等則さんとの思い出をふりかえる~2000年代の記事一覧
※2013年5月23日記事より再掲載
※イベント情報も当時の告知のまま掲載させて頂きます。
こんにちは!
良い音文化伝播隊、沼田です!
本日は、当店サイトにも公開致しました
“音にこだわる求道者”トランペッター 近藤等則さん
のインタビュー&レポートを更に深掘りする「続編ネタ」のご紹介です!
先の記事にもある通り、現在の近藤さんは、
「自分の求めるエレクトリック・トランペットサウンドの探求」
を続けると同時に
「観客に良い音を届ける事への使命感」
を持って、音楽活動をされていらっしゃいます。
その機材へのこだわりにフォーカスしたインタビューが
【近藤等則~ライブ機材の現在を語る 2013】
です。
そしてその後日、先のインタビューを更に掘り下げた質問を近藤さんに提出!
「プリアンプ」にまつわるエピソードの続編を頂きました!!
今回は、非常に興味深い近藤さんのお話を“ほぼそのまま”ご紹介致します!
近藤さんの“俺節”もそのままにお楽しみ下さい(笑)←※先のインタビューでは、実は、幾分ソフトに変更させて頂きました(笑)
■近藤等則さんの「エレクトリック・トランペットのプリアンプ」の変遷について
「1979年、ニューヨークで Fred Frith, Henry Kaiser, Bill Laswell, Fred Mar と演奏した時、あまりの音のデカさに、アコースティック・トランペットじゃあダメだと、翌日マンハッタンの楽器店でマウスピースの中にマイクを仕込んでもらい、マーシャルのアンプにぶっ込んで吹いた。これが俺のエレクトリック・トランペットの始まりだった。
それからしばらくは、アコースティックとエレクトリックの両方やっていたが、1984年、東京に帰ってIMAバンドをやり始めてから、エレクトリック一辺倒になった。
プリアンプを何度変えたか、もうだいぶ忘れてしまったが、Alembic, Custom Audio, ………
とエレキギター用の機種を色々使った。いつも問題になったのが、エレキギターとトランペットじゃあ周波数帯域が違うので、おいしいポイントがうまく決まらない。
それでスタジオ用のプリアンプに切り替えた。これも色々試したが、落ち着いたのが『Rupert Neve Designs Portico 5032』。
ハーフラック・モデルなので、ラックがコンパクトになった事も気に入った。
そして同じ時期、マイクをデンマークのDPA『4060』に変えたら、一挙に俺が求め、イメージしていた音に近づいた。
Rupert Neve Designsの良さはアナログ特有の曖昧さ、いい意味でのいい加減さにあると思う。それに基本的に音がファット。只、ハイの抜けがもう一つ気に入らなかった。
2011年の夏だったか、ヨーロッパ・ツアーの最中、リスボンの空港で機材がロストバゲージとなり、結局出てこなかった。もう一度Neveを買うのもシャクなので、新機種を探した。
それで見つけたのが、apiの『Channel Strip』。音のファットさに少し欠けるが、ハイの抜けは良くなった。EQのポイントがシャープだからかもしれない。
いずれにしても、エレキラッパの最重要点は“マイク”と“プリアンプ”!!!
誰か俺が理想とするプリアンプを作ってくれないかな〜。」
プリアンプのストーリだけで十二分にドラマチック!!
近藤さんのリクエストに応えるツワモノ、求む!!(笑)
そんな近藤等則さんの響命2回目のライブが開催決定!
そのライブに寄せてのテキストが、またイイ感じなのです!!!
■6月11日CAY ライブ
眼にはまぶたがあるが、耳には耳ぶたがない。見たくなければまぶたを閉じればいいが、耳は開きっぱなし。聴きたくない音でも勝手に入ってくる。何故だろう?
ヤミという漢字は闇。光を門の中に閉じ込めてヤミのはずなのに、音を閉じ込めてヤミとは!
そういえば、神の声を聴け、とは言うが、神の顔を見ろ、とはあまり言わない。「はじめに言葉ありき」と聖書にあるが、文字が出来る前に言葉は発音されてたんだから、「はじめに音ありき」と言い換えてもおかしくないだろう。
音はそれくらい、いのちの根源と繋がってるんだ、とミュージシャンとしては認識したい。イヤ、音に惚れたからミュージシャンになったんだ、と言った方がわかりやすいか。俺の場合、目で見て美人だなと思って近づいて声をかけても、彼女の声が気に入らなかったらダメ。
音って不思議だ。そんな音の感覚を元に音楽を演奏するんだから、音楽はもっと不思議なはずだ。そう思いながら、音楽の秘密に迫りたい、それこそミュージシャンとしての醍醐味だ、とラッパを吹き続けてきた。今も飽きない。これも不思議。
CAYでの第二回目「響命」ライブは「狂命」。不思議を追求すると、狂おしくなる。でもそうしないと、いのちと一緒になれないかもしれない。6月11日は、深く閑かに狂っていきましょう。
近藤等則 2013年5月18日記
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◆イベント概要◆
日程:2013年6月11日(火)
時間:Open 18:00 / Start 20:00
料金:予約 ¥3,000 当日 ¥3,500 【ドリンク代別】
席種: 自由席または立見
会場: CAY (スパイラルB1F)
〒107-0062 東京都港区南青山5-6-23
出演: 【Live】近藤等則 / 山木秀夫 / DJ Sahib with Special Guest
ご予約:≪電話≫ CAY TEL:03-3498-5790
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近藤さんの“生”を間近で感じる事が出来る絶好のチャンス!
もちろん、今回も名手・山木さんのVドラムが聴けるはず!ヒリヒリする超絶コンビネーションに期待!
更に、DJ Sahibさんとの緊張感溢れる絡みも必見です!
楽しみです!!
それではまた!!
続きはこちら!→
■近藤等則さん機材ストーリー、MORE!! 【その2~ワウ編】
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